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●2011年2月某日/設楽ダム水没地帯

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ひさしぶりのダムに沈む集落を尋ねる旅。
今回訪れるのは愛知県の山間部に建設計画中という設楽ダム建設予定地。
8年前訪れた岐阜県旧徳山村は今や国内最大級の徳山ダムに沈んでしまったが設楽ダムはまだ計画中。
しかし偶然手にした水没予定地マップが興味を引き
前夜は地図に水没予定地を落とし込み準備万端で出発した。


photo:Canon eos7d 15-85mm

2015年現在のダム詳細などはこちら


山道を走り続けようやく到着した愛知県の山間部、設楽町は面積のほとんどが山林という自然豊かな町。役場、学校、集落など中心部は標高400〜500mほどの高台に集中、その周囲は寒狭川が削り取った深い渓谷となっている。設楽ダム自体はこの深い谷底に建設されるとのことで、かつて訪れた旧徳山村のように自治体がまるごと沈んでしまうという悲劇だけは避けられそうだ。



いよいよ設楽ダムに沈むと寒狭川本流を目指す。集落の外れから薄暗い杉並木の急坂を下り続け、薄暗い谷底に到着。資料によればここから少し南へ下った谷間にダム堰堤本体が建設されるため、ここはいずれダム湖の底に沈むことになる。

そんな谷底で見つけた朽ち果てた建物。川へと落ちてしまいそうな立地に建つ崩壊寸前の木造三階建て。斜面に建てられているため車道から見ると1階建てにしか見えないが実はかなり大きさだ。崩れ落ちた壁の合間から覗き込んだ内部の様子はご覧の通り。

設楽ダム水没地帯の廃墟1102sitaradamu004.jpg
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残留物から推測するにかつては何らかの工場だったと思われるこの建物、ダム工事の進捗とともに撤去されてしまうことだろう。



その後も地図片手にダム水没地点を回ってみたものの災害通行止めや工事によって至る箇所でUターンを余儀なくされなかなか捗らず。気を取り直し山を登ると一旦設楽町の中心部へ戻り北端の集落を目指すことにした。

寒狭川沿いの国道を上流へと遡っていくと谷間が広がり民家が現れ始めた。八橋地区と呼ばれる集落となる。自作した水没マップによればこの地区はダム湖予定地北端に位置している。その外れに古びた平屋の建物が見えた。これが廃校となった旧八橋小学校。

1102sitaradam02.jpg


暖かい日差しが降り注ぐ明るい校庭。廃校となった後の校庭は地元の人々の集いの場として使用されているようで校庭にはゲートボールで使用されるボールやスティックが散乱していた。つい今しがたまでプレイが行われていたような気配を残しているものの人の気配はゼロ。
周囲をうろうろしているとゲートボールの後片付けにやってきた地元の方と出会い校舎内部を見学させてもらうことができた。立て付けの悪い古びた扉を開けてもらい足を踏み入れた薄暗い校舎内。奥には校舎を南北に縦断する長い廊下。靴を脱ぎ、踏みしめた床板は驚くほど冷たかった。

設楽ダムに沈む廃校八橋小学校跡1102sitaradamu002.jpg



先程の方が一部屋づつ校内を案内してくれた。
底冷えのする廊下とは対照的に教室跡は窓ガラスから射し込む日差しでぽかぽかと暖かい。話によると40年あまり前に廃校になったものの最近までは宿泊施設として利用されてきたとのこと。廃校にしては手入れが行き届いているわけだ。


設楽ダム廃校1102sitaradam03.jpg
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1102sitaradam04.jpg
1102sitaradamu001.jpg


この地区は設楽ダム建設によって水没する。そのため案内してくれた方の家も含め全戸が移転を余儀なくされているとのこと。いずれこの廃校も解体される予定だと聞いた。

帰宅後改めて設楽ダム水没予定マップを確認すると八橋地区と廃校はダム満水時の水際ぎりぎりに位置している。ダム工事においては、水没予定地にある残留物は湖面に浮遊しないよう可能な限り撤去されるため、水際とはいえやはり取り壊されてしまうのだろうか。水に沈めてしまうにはあまりに惜しい雰囲気の良い木造校舎だった。

[了]
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