●2011年10月某日/阿寺渓谷秋キャンプ
- 2011/11/29 19:28
- Category: 私事

かつてレイブ系の音楽イベントなどで真夏の海や平地キャンプを
何度も行ったが夜は蒸し暑く正直眠れたものではない。
やはりキャンプは標高の高い山、あるいは気温が下がる秋に限る。
そんなわけで久しぶりに秋キャンプ。
目的地は長野県の阿寺渓谷キャンプ場、車に用具一式を詰め込むと出発した。
ブームも下火の今、冷え込む秋にわざわざキャンプをしようとする
酔狂な人間もいるはずもなくガラガラのキャンプ場と清流を堪能。
photo:Canon eos7d 15-85mm
長野県大桑村、国道から分岐し木曽川の支流、阿寺川へと入った。川に沿って続く山道を遡って行くと朽ちた橋梁や土台が現れる。阿寺川沿いでは1960年代まで森林鉄道が敷設され木材運搬が行われていた。今回は廃線巡りではないので適当に切り上げさらに奥へ。



木々の合間からは眼下に美しい阿寺川を望む事ができる。とはいえ林道周辺は険しい断崖が続き降りられそうにもない。ようやくの事で近づけそうな場所を見つけたので車を停め河原まで下りた。透明度の高い清流に素足をつけてみると氷のような冷たさ。今回はサーフィン用ウェットスーツを持ち込んだのだが10月の渓流で泳ぐことができるのだろうか。
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さらに林道を遡り到着した阿寺キャンプ場は森の中に位置する雰囲気の良い場所。阿寺川も流れ川遊びも楽しめそう。受付を住ませ適当にサイト内を見て回る。客の姿は誰一人見当たらず最も良いと思われる高台を今回のベースキャンプ地に設定した。
80年代にブームとなったと聞くキャンプ。しかし現在は下火のようでシーズンオフとされる秋はどこのキャンプ場もガラガラ。自分は以前から屋外で行われるレイブ系のサイケデリックな音楽イベントに顔を出す機会が多かったり、また車中泊旅を行っていたため、キャンプ、アウトドア系の道具はそれなりにある。

そのうち皆が到着、あっという間に5つほどのテントが組み上がった。中心にはタープ。配置バランスも美しい。しばらくするとぽつぽつと他の客もやってきた。どうやら今夜の客はソロツーリングとファミリー、そして自分たちの3グループだけのようだ。干渉しないようお互いに適度な距離をとる。これが人が少ない秋キャンプの利点。
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日も暮れ夕食の準備にかかる。今夜も再び七輪が登場。皆が適当に持ち寄った適当な材料を片っ端から焼いていく。



10月の山中、やがて夜が更けると周囲は次第に冷え込み始め、テントに戻り温かい冬山用のシュラフに潜り込んだ。静まりかえった夜の山中にサラサラと渓流の音が響く。明日は横の阿寺川で泳ぐ予定。
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阿寺キャンプ場で夜が明ける。完全に熟睡できた。やはりキャンプは肌寒いくらいが最適。真夏の平地キャンプならば熱帯夜、さらには一匹の蚊で一睡もできないなんてよく聞く話。あまり知られていないが、秋キャンプはしっかりとしたシュラフさえ用意できればむしろ快適に過ごすことができる季節なのだ。


テント脇に転がる数個の七輪には昨夜の火種が残っているようで薄い煙が森に立ち上る。再び火を起し朝飯を適当に焼いて行く。普段は寝起き最悪、朝食はほとんど食べない人間だがキャンプになると不思議なことにぱくぱく食べることができる。

さて泳ぐか。冷え込んだ10月下旬早朝、極寒の渓流。寒さに動じずサーフィン用ウエットスーツを装着した男達は次々に阿寺川へ入って行く。自分もおそるおそる流れに足をつけてみるも氷のような冷たさに思わず固まってしまう。それでも意を決し膝、腹、そして肩、水中へじわじわと体を沈めて行く。



見よこの透明度。まるで手入れが行き届いた水槽の中のよう。どんな美しい川でも潜ってみると多少の濁りや浮かぶ枯れ葉などがあるが阿寺渓谷は不純物をほとんど感じない清流だった。水中写真は何年か前に購入したLUMIX FT1というデジカメで撮っている。だいぶ古くなってきたが遊びには使えるカメラ。


10月早朝、極寒の渓流で泳ぎ飛び込むウエットスーツを着た男たち。たまに川を訪れる観光客が崖の上から不審そうにのぞき込んでいく。空腹を感じると川から上がり食材を焼き再び川に戻る。下界ではなかなか体験できないのんびりとした時間を過ごすことができた阿寺キャンプ場、時刻も昼過ぎ。そろそろ撤収しよう。
[了]
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