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●2011年11月某日/奥三河マニアック地帯.東栄町の鉱山編

mikatop.jpg炭鉱や鉱山と言えば残念ながら今や閉山の代名詞。
それでも10年ほど前には日本にはまだ操業中の鉱山や炭鉱はそれなりにあり、
実際に当時操業中の北海道釧路太平洋炭鉱、長崎県池島炭鉱を訪れたこともある。
しかしそれらはその後いずれも閉山。
ところが愛知県、奥三河山中に現役の鉱山があることを知り
一体どのようなものなのだろうかと訪れてみた。


photo:Canon eos7d 15-85mm


山中を延々と走り続けやがて到着した愛知県の奥三河、東栄町。こじんまりとした中心部を通過、しばらく進む頃現れた脇道を川沿いにさらに山中に遡って行く。10分ほど走った頃、続いて支流へと右折、山村を進んで行くと道沿いに現れる工場のような小さな建物。その形状、雰囲気、小さいながら間違いなく鉱業所。



現役鉱山と聞いてはいたものの、今日は休業日なのか稼働している気配は感じられない。
少し離れた空き地に車を停め徒歩で再び訪れた鉱業所を車道からのぞき込んでみると驚くべき光景が。なんとわずか数m先に「日向坑」と書かれた坑口がある。こんな間近に現役の鉱山、さらには坑道を見ることができるとは。

愛知県東栄町三信鉱工粟代鉱業所1111toueikouzan08.jpg
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これらの写真、もちろん敷地内には一歩も入らず、すべて正面の公道から撮ったもの。遮る壁や塀が存在しないオープンな構造のため建物内部は道路から丸見え、材木で組まれた屋根、机の上に無造作に置かれた機器などレトロさを感じる雰囲気に思わず興奮してしまう。周囲に漂う機械油の匂いにかつて鉱山を巡り日本一周をした日々を思い出す。

愛知県東栄町三信鉱工粟代鉱業所201111touei09.jpg
愛知県東栄町三信鉱工201111touei08.jpg
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かつて自分が訪れた鉱山は大規模、かつハードなものが多かったがここはコンパクトでどこかアットホームな雰囲気。
なんだか古き良き時代の鉱山を見るよう。いつか作業中の光景も見てみたいもの。



鉱業所から離れ車に戻ろうと歩いていると集落のお年寄りと出会った。しばらく立ち話をしているとこの裏山にも現役鉱山があるという情報をいただいた。
という訳で集落からさらに奥へと車を走らせていく。色づく秋の木々に覆われた山を登る細い林道はやがてダートへ変わり少し不安になり始めた頃、前方の森が切れ木造の建物が現れた。

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近づいてみると建物は意外に大きく、材木で細かく組まれた作られた外観はまるで櫓のよう。こちらも人の気配がなく秋の山中は静まりかえっていた。



建物の周囲に積み上げられたズリ、不思議なことに秋の日差しを反射してきらきらと輝いている。近づきよく眺めると砂の中に細かく光る粒子が混じっている。何かの鉱物なのだろうか。

帰宅後調べてみるとこの鉱山、絹雲母(きぬうんも)なる石の産地なのだそうだ。絹雲母とやらは一体何の原料なのかだろうと調べてみると意外な事に化粧品のファンデーションに使われるとのこと。鉱山で採掘された絹雲母を化粧品メーカーに供給、その世界シェアなんと50%以上。東栄町の人里離れた山中にポツンと建つこのこぢんまりとした鉱山、実はすごい場所だった。

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ここからはるか下部にはトロッコ軌道のようなものが見える。掘り出した鉱石は高低差を行き来するインクラインの様なもので先ほど見たふもとの選鉱所へ運ばれているらしい。



非常に良い雰囲気だったこのコンパクトな鉱山を後にするとしばらく南下、再び東栄町の市街地へと戻った。続いて東栄町の郊外にあるという某廃校へと向かうことにする。

[続く]
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