●2012年1月某日/海辺のサバンナ、木曽岬干拓地
- 2012/04/20 21:51
- Category: マニアックスポット

伊勢湾岸道の高架から眼下に見える空白の空間、木曽岬干拓地。
流れに沿って走っているとわずかの時間で通過してしまうものの
荒涼とした光景に惹かれいつか立ち寄ってみたいと思い続けていた。
そして2012年冬、ついにその機会が訪れた。
photo:Canon eos7d 15-85mm
海沿いを走る高速道路、伊勢湾岸道の高架下に広がる大草原。この広大な土地は元々木曽川と鍋田川の河口。農地干拓対象として1970年から埋め立て、開発が進められたものの様々な要因によって計画が頓挫、その後長年にわたって放置されてきた。その名を木曽岬(きそさき)干拓地と呼ぶ。
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木曽岬干拓地への最寄りインターは弥富木曽岬IC。遊園地ナガシマスパーランド有する隣の湾岸長島ICで多くの車が伊勢湾岸道から流出するのとは対照的に、こんな辺鄙な場所で下りる車は自分だけ。

5年以上前の夏、伊勢湾岸道を走行中に空に浮かぶ魅力的な積乱雲を見つけ写真を撮ろうとこの弥富木曽岬インターで下りたことがあった。その日の抜けるような青空が想像もつかないほど、どんよりとした寒々しい天気。
高架下をくぐり干拓地の東端にやってきた。車道からは視界が利かないため堤防をよじ上ると目の前に茶色の広大な風景が広がった。曇天の冬空。枯れ果てた草原、彩度の低い不思議な光景。

干拓からわずか数十年間で大草原と化した木曽岬干拓地。地平線にはナガシマスパーランドのジェットコースターや観覧車がまるで蜃気楼のようにがそびえ立つ。
草原にポツポツと木のかたまりが存在する様子を見て思わず頭に浮かぶのがアフリカのサバンナ。この木の下でライオンが寝そべっていても違和感を感じないのは自分だけか。
今回木曽岬で訪れたかったのがサバンナの真ん中を南北に走る直線道路。海まで続く一本道、延々と続く電柱、哀愁を漂わせてる垂れ下がる電線。そんな光景を伊勢湾岸道の高架から見下ろす度、いつか訪れてやると思い続けていた。



あの草原、そしてその先の直線道路を歩いてみたい。というわけで干拓地へ入るルートを探しぐるりと一周してみるも、周囲は深い水路に囲まれ隙間すらない。唯一、干拓地へと北側から通じる橋を見つけるもゲートで厳重に閉鎖中。結局周囲から眺めただけで憧れていた木曽岬干拓地を後にした。
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この場所、人の気配というものがまったくなく周辺を何度も右往左往したが結局一台の車ともすれ違わなかった。しかし草原を切り開き太陽光パネルを敷き詰めるメガソーラー計画が動き出そうとしているとも聞く。
広大な木曽岬干拓地は今後どのように変化していくのだろうか・・・。
[了]
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