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●2012年5月某日/GW四国南部徘徊.04廃校編

  • 2012/08/28 22:18
  • Category: 廃校
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高知県黒潮町から松山を目指す途中、
四国南端の海岸で飽きもせずじっと波を見つめ続けてしまう。
美しく整ったセットが大岐の浜に打ち寄せていた。


photo:Canon eos7d 15-85mm

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土佐清水市の大岐浜で海を眺め続け気がつくと時刻は昼過ぎ。夕方には松山市に到着する必要があるため、足摺岬経由の海沿いルートではなく山道を走り宿毛方面へ抜けることを決断。



海沿いから一変今度は四国南端の深い山中を走り続ける。途中までは田園を突っ切る走りやすい道だったものの前触れもなく狭路となるのが四国らしい。
曲がりくねった山道をひたすら進んで行くと、緑の木々の間に怪しい建物を見つけてしまった。この形状、間違いないと草だらけの朽ちた道路に車を突っ込むと建物の正体はやはり廃校だった。

四国の廃校旧出合小中学校1305shikokuhai02b.jpg

草に覆われた緑の校庭と荒れ果てた木造校舎。後に調べると建物は土佐清水にかつて存在した小学校跡。芽吹いたばかりの鮮やかな新緑と彩度のない校舎の対比がおもしろい。
校舎の周囲にも森に埋もれた数棟の廃屋が残されている。現在は人の気配もない四国山中にもかつては集落が存在、校庭も多くの子供達でにぎわっていたことだろう。四国には本当に廃校が多い。この廃校、現在はストリートビューにも写っているので探してみて下さい。

四国の廃校旧出合小中学校1205shikoku05b.jpg

新緑に包まれた緑の廃校を後にすると山間部をひたすら北上。やがて行く手は厚い雲に覆われ雨粒が落ち始めた。日照レーダーの読みがピタリと当たり日射しがあったのは四国南端だけだったようだ。ここまで雨予報が続くGWも珍しいが今日はなんとか好天をつかむことができた。夕方、予定通り松山郊外へ到着、友人家族宅に泊めてもらう。天気予報によれば明日も雨、果たしてどうなることやら。



翌朝、友人宅でピザ作り。酸素を送り込み次第に火力を強めて行く。

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幸い燃やす燃料となる材木にはことかかない。釜の火力はすさまじくやがて次々にピザが焼き上がった。



昼過ぎ、皆と別れ出発。連休も後半、このあたりが今年の西進限界点、今後いったいどのようなルートを選択し自宅へ戻るべきか。渋滞情報をチェックすると既に午前中だというのに四国と本州をつなぐ三つのルートのうち二つ、明石大橋はもちろん、瀬戸大橋まで渋滞を示す赤いランプが点滅しはじめた。さすがGW。大型連休後半の明石大橋上りの渋滞の恐ろしさは過去経験済み。さらに瀬戸大橋でも渋滞が始まった以上、残された橋はしまなみ海道のみ。帰宅ルートを決定、今治方面へと車を走ら去年のGW以来一年ぶりとなるしまなみ海道へ入る。


そのまま一気に本州へと渡ってしまうつもりだったものの、眼下に広がる美しい風景に思わず適当な島で降りてしまった。降りてから初めて島の名前を知る。大島というありきたりな名前。

人気のない島の海岸。沖内を巨大な大型貨物船が音もなく進んでいく。

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大島の東海岸は断崖上の一本道が延々と続く。待避所なんてものはもちろん、わずかの路肩も存在しない道。そんな時に限って向こうから対向車が現れる。幸いなことに偶然路肩にわずかなスペースがありお互い何度も切り返し回避。もう少し出会いが早ければ断崖上を延々とバックするはめになるところだった。

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島を徘徊しているうちに、時刻は夕方近く。今夜はどこで寝ようかと考えながら尾道を通過し山陽道へ入った。



GWの山陽道、現在のところ上り車線は順調、しかしこのまま直進していけば三時間後には有名な宝塚渋滞にぶちあたるのは確実。もちろん渋滞に突っ込むつもりはなく、大阪京都近郊を大きく迂回すべく日本海方面へ。舞鶴道から若狭湾へ出たあと、北陸同経由で再び名神へ復帰するつもり。行程をを考えながら車を走らせているうちに山陽道でもぼちぼち渋滞が始まり始めた。と言う訳で山陽道を下り舞鶴道目指し中国山地を一気に抜けて行く。

22時10分。漆黒の山中を走ること数時間、ようやく舞鶴道へ突き当たり手頃なインターから入る。いつものセオリー通り賑やかで眩しいSAはパスし小さく薄暗いPAを見つけると車を停め寝る準備。今回車中泊に選んだのは六人部というPA。偶然にも毎年夏大阪から丹後半島へ海水浴に行く際の待ち合わせ場所として利用している場所だった。



GW最終日、六人部PAに停めた車内で朝を迎えた。複雑に入り組んだ福井県若狭湾の入り江ぎりぎりに作られた道を走り続ける。目的地は某廃校。昨日までの四国南端の荒々しい海と対照的に穏やかな凪の日本海。

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やがて到着したのは海が見える廃校、小浜市の堅海小学校跡。建物は二階建ての木造校舎。二日前に四国の山中で出会った朽ち果てた廃校と違いしっかりとした外観を残している。周辺に広がる田んぼはこの季節、水張りの最中。静かな水田に校舎の姿がうつり込む。

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その後も海辺へ立ち寄ったりとだらだら過ごし、気がつくともう昼を回ってしまった。あわててスーパーで昼飯を買い込むと最寄りの敦賀インターへ。福井県を後にしUターンラッシュが始まる前に名神を走り抜けることが出来た。帰宅後、渋滞情報をチェックすると数時間前走り抜けた上り車線は渋滞で真っ赤に染まっていた。



今年のGWは雨予報が続いたせいもあり九州遠征が続いた例年にくらべ、走行距離はそれほどでもない。しかし結果として好天に恵まれた。さらに各所での滞在時間を多く取ったため訪れた現地でまったり過ごすこともできた。長距離をひたすら移動する普段の旅と違いこのような旅もなんだか新鮮でいいなあ。

[了]

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