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●2013年2月某日/駿河湾深海生物館

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久しぶりの伊豆。
波もないだろうとサーフボードも持たずに適当なマニアックドライブ。
帰路、戸田にある駿河湾深海生物館にまた立ち寄ってしまった。
怪しさ漂う深海生物館を訪ねるのも一体何度目だろうか。

photo:Canon eos7d 15-85mm

伊豆南端。予想通り波は膝サイズ。海に入っている人々も悪戦苦闘。それでも二月ながらぽかぽかと暖かい海を見ているとやっぱり浸かりたくなってしまう。

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せっかく伊豆南端を訪れたので少し足を伸ばし旧海軍病院跡へ向かってみることにした。壁面に絡まる蔦が良い雰囲気をつくり出すこの木造廃墟は、某市民病院の敷地内に立地する。【LINK】
しかし病院へ近付くと以前とは違った様子。多くの車が停められていた病院からは人の気配が完全に消えている。やがて正門に近付くと驚くべき光景が。なんと市民病院全体が柵によって封鎖されていた。まさか本体まで廃墟となっているとは。そんなわけで敷地内にある海軍病院へはたどり着くことができず。



伊豆半島西海岸。華やかさと同時に猥雑な雰囲気漂う伊豆東海岸とは対照的に西海岸は秘境の雰囲気を醸し出す。交通量もほとんどない断崖上の一本道は時折海沿いへと降下しそのたびに小さな集落が現れる。

そんな海沿いの集落にひとつ、戸田という港町の外れにある駿河湾深海生物館に久しぶりに立ち寄ってみることにした。
深海生物館が建つのは松林の中、訪れたのは日暮れ間近の時間帯と言うこともあってか薄暗く、またその古さのせいか相変わらず怪しさ漂う外観。

戸田駿河湾深海生物館外観201302shinkai09.jpg


2500mはあろうかというその深さ故、深海生物が多数生息するしている静岡県駿河湾。対岸の沼津には数年前、沼津深海水族館が華々しくオープンした。最近の報道ではそちらのネタばかり、昔からある老舗、駿河湾深海生物館にも目を向けてもらいたいもの。



博物館内部。相変わらずまったく人気がない薄暗い館内にずらりと並ぶ瓶や水槽。その中からはホルマリン漬けされた深海魚がうつろな目でこちらを見つめている。

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駿河湾深海生物館内部2013izushinkai04.jpg
駿河湾深海生物館内部2013izushinkai05.jpg


海底から引き揚げると破裂してしまうため扱いが難しいと言われる深海魚の標本がどれも原型をとどめたまま展示されている。どの深海魚も見飽きることのない不気味で不思議な形状。
このような生物を見ていると、海中への底知れぬ闇に恐怖心が湧き上がってくる。月よりも遠いとも言われている深海の世界。精密な地形図もある月に比べ遙か海の底は今だ謎の世界。


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駿河湾深海生物館は二つの展示で構成されており一つ目は深海魚。そしてもう一つの目玉はロシア関連の展示品。
日本海側の港町ならばわからなくもないが、なぜ太平洋に面した伊豆とロシアの関係は何なのか。
実はこの小さな港、戸田村には江戸時代末期、安政東海地震の津波によって船を破壊されてしまったロシア使節団が避難先として滞在していたことがあったのだ。彼らの村への滞在が長期間に及んだため、当時の日本人が初めて見ただろう外国人であるロシア人の観察記録が多数残され展示されている。

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地元の絵師が描いたロシア人。
「隙間があればすぐに犬のようにごろごろと寝ころぶ」とのキャプションが付けられている。後ろから呆れたように彼らの様子を眺める日本人の微妙な表情が印象的。
今では日本人でも当たり前のように行う、食べ歩き、道ばたで座り込み。ところが幕末の日本人の目を通すとそんな行動が非常識に見えらしく、そのような行為を行うロシア人がまるで怠け者のようにおもしろおかしく描かれている。


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さて辺鄙な田舎に突然やってきた大量のロシア人に当初村人は戸惑っていたものの、おずおずと交流が始まり、やがて互いに協力し合いついに船を完成させることができた。「船」の文字を皆で完成される上記のイラストがとてもおもしろい。津波で船を破壊された使節団もこれによってロシア本国へ無事帰国することができたのだった。

この博物館には「ソ連大使館よりの感謝状」「ソ連海軍からの贈り物」など戦後になって本国から戸田村へ送られて来たお礼の品が多数展示されている。久しぶりに聞くソ連という響き、どこかノスタルジックでドキドキしてしまう。

[了]

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