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●2018年3月某日/滋賀の廃墟、姉川発電所の夜

  • 2018/07/21 22:57
  • Category: 写真

冬も終わりかけたある日、滋賀県山中の川沿いに残された水力発電所、姉川発電所跡を再訪した。
某所徘徊の途中、思いつきで訪れたため、現地に到着したのは山の稜線へ日が沈んだ直後。
車を停め、眼下の川を見下ろすと思いのほか水量が多い。


・写真をクリックすると拡大します。
・2017年の徘徊記録→LINK

姉川発電所1712title01.jpg

発電所廃墟は川向こうの森の中にある。雪解けで水量を増す姉川を渡り、約一年ぶりの廃墟に向かう。薄暮の森は長い冬の眠りから覚めたばかりだった。新緑に包まれた初夏の光景とは対照的なおどろおどろしい黒い森。その中に煉瓦造りの廃墟が残されていた。

姉川発電所跡1803anegawa14.jpg姉川発電所跡1803anegawa13.jpg
姉川発電所跡1803anegawa05.jpg姉川発電所跡1803anegawa02.jpg
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姉川発電所跡夜景1803anegawa01.jpg姉川発電所跡夜景1803anegawa06.jpg


この時期の日暮れは早く、周囲の光景はみるみる闇に沈んで行く。再び川を渡ると車に積んであったキャンプ用ランタンと予備三脚を回収、廃墟を照らしてみる。
姉川発電所に70年ぶりに光が灯った。林立する杉木立をシルエットに煉瓦づくりの壁面やアーチの輪郭が浮かび上がり、往事の姿が甦ったかのように見えた。



とかっこよく書いたものの現場は漆黒の闇。発電所が残る場所は人里離れた山中という訳でもなく、川を隔てた対岸には時折車が通過する道があるため心細さはないものの、周囲から聞こえるガサガサという獣らしき正体不明の音におびえ続けた。帰路、ヘッドライトを点灯し夜の川から上がってきた自分は、対岸を通行中の車に照らし出されたが向こうも随分と驚いたに違いない。

[了]



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