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●2022年1月某日/半島の果て。秘境海岸と呼ばれる二つの場所。[後編/吉田海岸]

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前回紹介したロケット開発で失われゆ秘境海岸に続く後編、伊豆半島。
華やかさと同時に怪しさと寂れたスポットが混在する伊豆東海岸、
それと対称的な風景が広がっているのが伊豆西海岸だ。
南伊豆町あたりまで南下すると集落もほとんど現れず
荒波が打ち寄せる断崖絶壁が続く荒涼とした光景が広がっている。
そんな秘境感あふれる西海岸の崖下に行き止まりの吉田集落がある。
延々と急坂を下り終えた断崖直下に存在するのはわずかな民家と海、そして不思議な建物だけ。


photo:Canon eos7d 15-85mm

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[絵になる秘境海岸/伊豆半島編]

空、海、そして見渡す限りの崖。伊豆山地から伸びる尾根が駿河湾に突き出た断崖となって一気に切れ落ちている。西伊豆を代表する人を寄せ付けない壮絶な地形。山道から見下ろす限り一切の人工物も眼に入ることもない最果ての地。

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 南伊豆町の秘境吉田海岸2201izuyoshidabeach03.jpg

視線を山側へと移動させると断崖直下には磯海岸、その奥にわずかな平地がある。茶褐色の草原が広がるその平地には、唯一人の営みを感じさせる赤い屋根の一軒家が建っている。
礼文島の果てで見た漁師番屋のような立地だが、民家にも番屋にも見えない不思議な外観と建物が建つ壮絶な立地は様々な想像力を沸き立ててしまうドラマチックさがある。

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平地には赤い屋根の一軒家しか存在しない訳ではない。木々と尾根に阻まれて視認できないが、谷間の奥には肩を寄せ合うようにひっそりと生活が営まれるわずかな戸数の吉田集落がある。この集落を含めた海岸が今回紹介する吉田海岸だ。



伊豆半島断崖上を南北に走る西海岸道。対向車も集落もほとんど現れない国道を走り続けると森へと消える怪しい分岐が現れる。木々に覆われた狭く薄暗い急勾配の山道を下ると視界が開けた。わずかな平地に広がるのは一面のアロエ畑と民家、そして草原。
やがて海に行き着き道は唐突に終わる。海岸と行っても南伊豆・東伊豆に点在する明るい砂のビーチではなく小石が敷き詰められた海岸。

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険しい尾根に挟まれたわずかな空間が吉田集落と吉田海岸だ。突き出した尾根に阻まれ他の集落の姿は一切眼に入らない噂通り秘境感あふれる隔絶された場所。



そんな地で目を引くのが海辺の草原に建つ赤い屋根の一軒家。木材で組まれたログハウス風のその姿は民家というよりはコテージかバンガローのように見える。

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断崖と海、そして草原の赤い屋根の組み合わせは演出されたロケ地を思わせる。使用されているものなのか、無人廃屋なのかは不明だが建物への人道も草で覆われ近年は使用されている形跡はない。後日地元の方と話す機会があり、現在は空き家となっていると聞いた。

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そして海。海の透明度の高さに惹きつけられ毎年のように南伊豆の某海岸を訪れる。ここ吉田海岸も俯瞰すると水面の反射が抑えられ透明度が際だって見える。岩礁、浅瀬、水深によって異なる深みのある青がどこまでも続く。

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吉田海岸には美しい海以外にもうひとつ「見所」があった。それが海岸外れにある神社。草原の先に現れた小さな神社は巨木で覆われ鎮守の森を形成している。曲がりくねる巨木に強風吹き荒れるこの地の厳しさを思い知る。
神社の周囲は草原が広がりその奥にはいくつかの崩れかけた廃屋があった。

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轟々と風が吹き荒れる某日。吹き付ける強風、打ち寄せる波。枯れた草原が揺れ続ける。地の果てをイメージするような荒涼とした光景。
次第に日は傾き、突き出した三ッ石岬へと続く荒々しい断崖が西日を浴びオレンジ色に染まる。

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やがて集落に覆い被さるようにそそり立つ断崖の稜線に夕日が沈み、薄暮となった谷間に続き吉田海岸も闇に沈んでいった。駿河湾を挟んだ遥か対岸の街が灯り始める。
それにしても伊豆は奥が深い。このような海岸があることをつい数年前まで知らなかった。前回紹介した開発の波が押し寄せる紀伊半島の秘境海岸、一方吉田海岸の荒涼とした光景は変わることなく続くことだろう。 

[了]
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