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●2023年秋某日/海を望む丸い戦跡、目玉監的壕跡。

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遙か遠くに海を望む広大な傾斜地。
畑や荒れ地が混在する一角に奇妙なコンクリートの遺物がある。
乾いたダート道を土埃を上げて車を走らせていると
彼方にグレーの球体が見えた。


※本記事は訪問時のものです。現在の状況は異なっている可能性もあります。

目玉監的壕2309medama0101.jpg
立野原監的壕2309medama0105.jpg

緑の土手に半ば埋もれるように接地された灰色のコンクリート製球体。
強い日射しを浴びる側面にはいくつかの小さな穴が開けられている。このコンクリートの塊は目玉監的壕(かんてっこう)と付けられた旧陸軍の演習用施設の遺構だ。

立野原演習場2309medama0102.jpg
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戦闘用構造物は直線や直角で構成された力強く無骨な姿を想像しがちだが、ここは全てが緩い曲線で構成されており、それが少しかわいらしくもある。



目玉を想像させる丸い形状から付けられたと思われる「目玉監的壕」という名称。堅物が多そうな戦前の陸軍も粋な名前を付けたものだと思っていたら、戦後に近隣住民が名付けた愛称なのだそうだ。正式名称は立野原監的壕。
監的壕は球体の半分が地中に埋められた半地下構造、その裏側には黒い穴が口を開けているのが見える。

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雑草が生い茂る斜面を登り裏に回ると小さな出入り口があった。なんだか古墳の入口にも見える穴。実際ドーム型の箇所と四角い箇所で組まれた壕は前方後円墳を彷彿とさせる構造だ。

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分厚いコンクリートで防護された内部も曲線も帯びている。北側の地面すれすれに開けられた四つの銃眼のような小さな穴。その厚みがわかる。穴からは平野、さらに先には青い水平線も見えた。

立野原演習場2309medama0109.jpg

壕内に隠り敵を迎え撃つ軍用トーチカは上陸作戦が想定される海岸部に設置されることが多いが、現在地は海岸線から30km余り、あまりに遠いのでは思っていたら実戦を想定したものではないと後で知った。
全面に広がる広大な敷地は戦前、陸軍の演習場だった。4キロ先に砲弾の弾着地があり、監的壕はその名の通り、弾着観測と効果を測定するための壕だったようだ。分厚いコンクリートは観測者の身を守るためだった。

似たような遺構は以前、別の場所でも見た。[下記]→LINK こちらも弾着観測に使用されていたトーチカ。

御殿場富士山トーチカ跡1802fuji01.jpg

現在は静まりかえる原野も演習時には轟音で満ちていたことだろう。

[了]

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