●2010年8月某日/北進計画、夏.01〜荒野の果て尻屋崎〜

  • 2016/07/18 23:32
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書きかけのまま放置していた記事が出てきたのでアップします。
6年前の夏、車で北海道へ向かった適当な記録。



GWは南進、お盆は北進と言うのがここ数年の恒例行事。
去年(2009年)の夏は東北縦断を行ったため、今年は北海道かなと漠然と行き先を考えているうち
気が付くとあとわずかで盆休みという時期となっていた。
そんなわけで2010年夏計画は数日前の思いつきで急遽北海道旅に決定。
とは言っても北海道に特に目的地があるわけでもなく
帰宅後振り返ると一週間ほどの行程の内、北海道滞在時間はごくわずか、
往復のひたすら長い道中を楽しんだ旅となった。


photo:Canon eos7d 15-85mm


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18:20
車に車中泊セットを放り込むと7年ぶりの北海道へ向け出発。北海道までは当然自走、盆期間という事も考慮して青森大間-函館間のフェリーだけはなんとか押さえた。
渋滞情報を確認すると盆休みは明日からだというのにすでに各所で激しい渋滞が始まっていた。首都圏の大渋滞を回避するため東北道を直接北上するのではなく一旦新潟まで出たあと磐越道経由で東北道へ合流する迂回ルートを選択、夜の中央道を走る。

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●23:50
眠気に負け長野県のパーキングで車中泊。標高の高さゆえ夏の夜でも涼しく車中泊にはもってこいの場所。連日熱帯夜が続くこの季節、平地ならば蒸し暑さで眠ることもできなっただろう。明日中には本州最北端、青森県大間崎に到着したところだが果てして時間通り到達できるのだろうか。


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薄暗い長野県野尻湖PA。早朝5時半、車を包み込むヒグラシの鳴き声で目を覚ます。夏の夕方のイメージが強いヒグラシ、朝も鳴くものだと初めて知った。本日はひたすら青森の果てまで走らなければならない。周囲に響き渡るもの悲しい鳴き声によって早朝から落ち込んだ気分に気合いを入れる。


●14:30
緑鮮やかな美しい田園地帯をどこまでも続く東北道。仙台を過ぎると併走する車も極端に減り始める。遙か地平線に見えていた巨大な積乱雲が次第に近付きやがて土砂降りの雨となる。雨を抜けると虹とともに再び青空が広がっていく。

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15:05
気象の変化を何度も繰り返しているうち、ようやく青森県八戸ICに到達、午後3時、15時間ぶりに高速を降りる。都心を通過せず日本海側まで大きく迂回したためETCゲートに表示される金額は特別割引のおかげでわずか1,000円。渋滞にもまったく遭遇せずここまでは計画通り。

夏東北ツーリングマップ1008touringmap01.jpg



八戸市街地を通過し下北半島目指し走り続ける。
青森県を形成する二つの半島、津軽半島と下北半島。演歌の影響か知名度の高い竜飛崎有する津軽半島に比べ、右の下北半島は本州最北端ながらどこか地味。しかし荒涼とした原野が続くこの半島は同時の魅力を持つ場所。


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スクールバスの廃車1008hokkaido0101b.jpg


そんな下北半島の森に棄てられていた数台のスクールバス。夏空と黄色の鮮やかな色彩が目にまぶしい。
三沢基地の学校へ通う米軍の子ども達が使用していたのだろうか、この空間だけが妙にアメリカンな雰囲気だ。このようなタイプのスクールバス、ハリウッド映画では、子どもを満載し必ずトラブルに巻き込まれるタイプ。怪獣やテロリスト、宇宙人、迫り来る列車、あわやという瞬間にヒーローに助けられる、といったお決まりのくだらない妄想が思わず頭に浮かんでしまった。


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青森県六ヶ所村。
田舎に似つかわしい広大な道路、立派な公共施設など莫大な投資をうかがわせる光景を横目に走っていると原燃PRセンター、そして巨大な核燃料施設が現れる。このPRセンターなるもの、要は原発や原子力の安全性を国民に無料でアピールするというものでそれなりに良くできているものの、全国津々浦々どこも似たり寄ったりの内容でいささか食傷気味。この六ヶ所村のPRセンターも10年近く前一度入ったことがあったので今回はスルーし尻屋崎方面へ車を走らせた。



16:10
斧の形をした下北半島の柄の部分をショートカット、太平洋へ突き出た尻屋崎へ向かおうと国道から外れ山中の山道へ入る。狭く曲がりくねった山道を走り続けるとやがて深い森が切れ小さな集落が現れた。その集落の脇にあった同時に怪しい廃墟。小さな借家のような平屋の廃屋がその奥にある大きな建物を取り囲むように配置されている。

青森県下北半島尻屋崎の廃校1008haiko.jpg
下北半島尻屋崎の廃校1008hokkaido01041.jpg


中心には草むした広い空間。おそらく校庭、奥の廃墟は廃校に間違いない。
近所のお年寄りと話すとこの廃墟、予想通り学校跡。木造校舎を取り囲む周囲の建物は当時、住み込みだった教職員の宿舎だったとのこと。それにしても妙に宿舎が多いように感じるがそれだけ当時の生徒数が多かったとのことなのだろうか。昨年(2009年)夏も多くの廃校に出会うことができた下北半島はまさに廃校の宝庫と言えよう。




16:55
下北半島の最東端、尻屋崎が近づいてきた。この場所を訪れるのもちょうど一年ぶり。
感慨に浸りながら岬先端へと車を走らせていると入り口にあるゲートが閉まり始めている。機械を操作していた方曰く尻屋崎は夜間は閉鎖されるのだという。過去何度も訪れたことのあるこの尻屋岬、昼間しか立ち入りできない事実を恥ずかしながら今回初めて知る。

尻屋崎灯台の夕景1008hokkaido0105b.jpg
尻屋崎灯台の夕景1008hokkaido0106b.jpg


閉鎖時間寸前に無理を言ってなんとか入れてもらった尻屋崎。
西日を浴び走り回る寒立馬、逆光にきらめく草原。自分の他に観光客は見当たらない尻屋崎灯台は静まり返っていた。この岬、日本で好きな場所のひとつ。土産物屋から大音量で流れる音楽と観光バスの喧噪にまみれた日本最北端宗谷岬よりも、遥かに最果てを感じることができる。(宗谷丘陵は別格だが)





尻屋崎を後にし今度こそ本日の最終目的地、本州最北端大間崎を目指す。ところがその道中、またも廃校らしき建物を見つけてしまう。尻屋崎から大間まではまだ遥かに先、急がねばという思いから一旦この廃墟をスルーしてしまったもののやはり気になり数キロ進んだあたりでUターン、校庭へ乗り込んだ。
こちらもやはり小学校の廃校。かつて子供達が走り回ったであろう広大な校庭は背丈ほどの雑草に覆われ草原と化していた。

青森県下北半島の廃校1008hokkaido0107b.jpg
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青森県下北半島の廃校1008hokkaido0108b.jpg




むつ市郊外で見つけたスーパーで弁当等今夜の夕飯を買い込む。全国チェーンのコンビニと違い地方独自の食材が売られているローカルスーパーは旅先でつい立ち寄ってしまう場所のひとつ。特に夏場、田舎のスーパーで見かける浮き輪や虫取り網に、かつての夏休みを思い出し未だにわくわくしてしまう。
店内で買い込んだ激安弁当を片手に、駐車場から見上げた恐山上空には魅力的な形状の雲が広がっていた。今日の夕焼けは期待できそうだ。


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大間崎へと続く海沿いの国道を延々と北上するにつれ長かった夏の日も暮れていき同時に雲の彩度が増して行く。7年前、日本一周の旅の途中、大間へと向かうこの道を走り続け漆黒の海辺で野宿したことがあった。同じ道を走ると年月の経過と共に記憶から抜け落ちていった当時のエピソードがどっとあふれ出す。

夏東北ツーリングマップ1008touringmap01.jpg



●18:20
海沿いの空き地で夕焼けを見終え、車に戻りドアを開けると驚いた。なんと車内が無数のアブであふれている。開けたままにしていた窓から入り込んだのだろう。車の周囲にも雲霞のごとく飛び回るアブの群れはさらに車内へと侵入しようと試みている。
所狭しと飛び回るアブを必至で払いのけ乗り込むとあわてて発進。なんとか逃げ切ったと思いきやいつも間に入り込んだのかダッシュボードのすき間からさらにわき出るアブの群れ。もはや旅情どころではない。そういえば昨年の東北縦断も至る所で出没するこのアブに散々悩まされた。

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●19:20 
アブの大群に恐ろしい思いをしながらも走り続けやがて大間の町が見え始めた。車中泊をした長野県のパーキングエリアから約13時間、寄り道を繰り返したとはいえほぼ予定通り。



本州最北端、青森県大間崎。津軽海峡を挟んだ対岸には目的地北海道の大地が意外な近さで横たわっている。
車やバイクで北海道を目指す旅行者は通常、本州各所から長距離フェリーに乗ってノンビリ優雅に向かうもの。青森港からもさらに離れた地の果て、大間をわざわざ訪れ北海道へ渡ろうとする旅行者は真の旅人か、あるいはわずかでもフェリー代を節約しようとする自分のようなケチな人間くらいだろうか。

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大間フェリーターミナル1008hokkaido0115b.jpg


街灯の薄明かりに照らし出される大間フェリーターミナル。豪華になった函館フェリーターミナルと比べ最果てを感じる昔の駅舎のようなレトロで寂れた雰囲気。どんよりとした雪空の下、真冬にこの場所を訪れたならば思わず寒々しさを感じてしまうことだろう。

港周辺を観察すれば暗がりのベンチや建物の隅で寝ているツーリング中の猛者ライダー、あるいは車中泊している同業の人間の姿も見受けられこちらも安心して寝ることができる。



停泊中のフェリーを真横に望む岸壁に車を停め車中泊の準備にかかる。といっても後席を倒しアルミマットを引くだけなのですぐに完了、夕方、むつ市で購入した弁当を食べ終えシュラフに潜り込みツーリングマップル片手に明日以降の計画を練る。函館行きの朝一の津軽海峡フェリーを予約したものの肝心の北海道での予定は特になし。
さてどこへ向かうべか。


[続く]
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