●2010年8月某日/北進計画、夏.02〜発電所遺構〜

  • 2016/07/31 19:44
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宿泊先はもちろん目的地すら決めずに北へと旅立った2010夏北進計画。
広大な東北地方をひたすら走り続け昨夜到着した本州最北端青森県大間港の岸壁で車中泊となった。
三日目。夜明けとともに出港した津軽海峡フェリーは函館へ到着、
7年ぶりに北海道の広大な大地に車と共に放り出された。
とはいっても北海道での予定もなし。


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photo:Canon eos7d 15-85mm

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●07:30
青森県大間港。岸壁に停めた車の中で目を覚ます。心配していた夏の夜の暑さもこの緯度まで北上するとさすがにやわらぎ昨夜は熟睡することができた。
くたびれた事務所で乗船手続きを終えると車をフェリーに乗せ、甲板で出港を待つ。やがて大間発函館行きの津軽海峡フェリーは黒煙を上げのろのろと動き始めた。このフェリーに乗り大間から北海道へ向かうのはいったい何度目だろうか。曇天の空の下、どこまでもついてくるカモメの群れを眺め続けた。

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●09:00
フェリーは一時間あまりで津軽海峡を横断、函館港に到着した。フェリーの前扉が大きく開き他の車、バイクとともに広大な北海道へと解き放たれる。
思い思いの方角へそれぞれ一斉に走り去っていく車やバイクを横目に毎度のことながら特に目的地もない自分。その広さ故、移動時間が行程のほとんどを占める北海道においては適当に車を走らせながら次の目的地を考えるのがいつものやり方。今回はとりあえず旭川方面へと向かうことにした。旭川に特に予定があるわけではないのだが北海道の中央部、明日以降どの方角にも向かいやすいのではなかろうか、という安直な考えからだ。





深い森の中に佇むかつての発電所、大沼第二発電所跡。第二と呼ばれる名が示すよう大沼周辺にはかつて多数の発電所が存在していたという。現在においてもいつくかの遺構が残されているとのことだが周囲は木々に覆われた広大な原生林、とても見つけ出す事はできなかった。もっともこの季節、行く手を遮る草木に近づく事すら困難なのかもしれない。
それにしても森が続く一見平坦なこの場所でどのように水力発電を行っていたのだろうかと見渡すと意外にも建物裏手は緩やかな崖となっておりこの高低差を利用し水圧管が設置されてていたと思われる。

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北海道大沼第二発電所跡1008hokkaido0208.jpg
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旭川へ向かう道中、現れた空知、砂川、三笠といった地名に懐かしい記憶がよみがえる。
北海道中部に位置するこのあたりはかつての産炭地。とはいえどこもすでに数十年前に閉山、現在は廃墟となった遺構が残るのみ。かつて行った日本一周の旅の途中、この産炭地の廃墟を片っ端から巡ったことがあった。あれから7年、おそらく数え切れないほどの遺構が取り壊されたことだろう。炭坑遺構群は今回は素通り、代わりに廃校を利用した美術館、アルテピアッツァ美唄へと立ち寄ってみた。



●15:40
かつての美唄市立栄小学校が廃校後、美術館へ生まれ変わったアルテピアッツァ美唄。ここも7年前に訪れたことがある場所。現在は作品の展示室として改装されているとはいえかつての木造校舎の雰囲気を随所に味わうことができる雰囲気ある建物。小雨に濡れた鮮やかな緑の芝のコントラストが印象的な場所だった。この美唄も他に漏れず旧産炭地、以前訪れた際は廃校周辺にもいくつかの遺構が残されていたが今も健在だろうか。


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●18:30
早朝の函館から走り続け旭川付近で日が暮れ始めた。やはり北海道は広い。今夜はこの街で寝ることにしよう。
まずは食材探し。郊外の大型スーパーで半額シールが貼られた食料品を補充、店から出たとたん豪雨に見舞われ駐車場に停めた車へと逃げ込んだ。車体を叩き付ける雨粒、響きわたる雷鳴や稲光に怯えつつ車内で弁当を食べる。ラジオをつければこの雨が数日続くという絶望的な天気予報。明日はどこへ向かえばいいのだろうか。


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●07:15
北海道旭川市。本日の北海道は全域で雨予報。携帯を開けば北海道の地図上に雨マークがびっしりと表示される絶望的な画面。広大な北海道においてどの方角へも移動が容易との安直な理由で中央に位置する旭川市を1泊目に選んだものの、これではどこへ移動しようと雨から逃れようもない。しかし気象庁のアメダス日照レーダーでは道東方面にはわずかに雲の切れ間が存在しているようにもみえる。読みが正しければ東へ進むにつれ晴れてくるはず、というわけでとりあえず本日の目的地は道東となった。





出発時、雨がぱらついていた空も旭川から離れ南下していくにつれ次第に雲が切れ始め太陽光がもさし始めた。
道中有名な富良野美瑛を通過する。富良野といえば北海道を代表する一大観光地。観光バスがぎっしり停められた有名スポット脇を通過すると大勢の観光客が徘徊しているのが見える。自分はと言えばラベンダーが整然と植えられた丘など、観光客向けに作られた「風景」にはあまり関心が湧かないので素通り。

しかし樹海峠へ向かう途中、幹線道路から外れた田舎道で偶然出会った風景には心引かれるものがあった。うねるように続く丘陵地は先ほど通過した富良野美瑛にも劣らない。幹線道路から外れた農道脇に車を停める。人影と言えば遙か遠くで作業をしている農家の方のみ。風に乗ってかすかに届く農機具の音以外静まり返るこの場所で長い時間を過ごしてしまった。

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●13:20
北海道を東西に分断する狩勝峠を境に周囲の風景はがらりと変わる。ゆるやかな丘陵が続いていた西側と比べ東側は地平線まで続く広大な十勝平野を直線道路が走る大陸のような光景。
しばらくの間、主要国道を走り続けたものの次第に飽きてきたので試しに道を一本ずれてみる。道路は碁盤の目のように並行してつくられているため迷う心配もなく、同時に交通量もほとんどないため貸し切り状態の直線道路を楽しむことができる。そんな直線道路も30分も続くとさすが変化のない光景に次第に遠近感が薄れ眠気に襲われてしまう。



今朝の雨予想がいっぺん猛暑となった道南。雨が降らなければ降らないで今度は暑さに参ってしまうのだから我ながら単純なものだ。この暑さを少しでも凌ぐため淡い期待をいだき向かったのが山の上にあるナイタイ高原牧場。この旅初めての観光地。

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北海道の雄大さを改めて実感するロケーションはもちろん山上の牧場へ向かうアクセス道も素晴らしい。緑の草原の中、車を走らせているとまるで空に向かって登っていくような不思議な気分に陥ってしまう。
久しぶりに訪れたナイタイ高原牧場は吹き抜ける心地よい風に包まれていた。予想通り暑さも和らぎ次第に睡魔に襲われる。涼しいこの場所でこのまま車中泊をしてみたかったものの残念ながら夜間は閉鎖されるとのこと。今からどこに向かおうかと考えるものの特に行く当ても思い浮かばず惰性で車を走らせる。



●19:50
あてもなく移動を続け気がつくと道東の釧路周辺。そろそろ今夜の寝床を探さなくてはならない時刻。どこか適当な場所はないものかと地図を開き見つけた美幌峠にある道の駅で寝ることに決めた。

この峠へ向かう途中これまで経験したことのないような濃霧に包まれた。いつもの山歩きや林道ドライブで霧に巻かれる事自体は珍しいものではないが、美幌峠で遭遇した霧は文字通り一寸先も見えない乳白色の世界。ここまで恐怖を感じた運転は初めて。道路脇に建つ道の駅すら見つけることができず一旦は通過してしまった。
濃霧がわずかに薄まった隙にすかさずUターン、なんとか道の駅を見つけ出しようやくのことで駐車場へ車を入れる事ができた。緊張しっぱなしの運転に疲労しシュラフを広げ即座に眠りに落ちた。

[続く]
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