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●2016年7月某日/大鹿村天空の池〜早朝編〜

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長野県の秘境大鹿村、標高2000mを越える高所に「天空の池」と呼ばれる場所がある。
長野県徘徊の途中、近隣を通過したので半年ぶりにこの池に立ち寄ってみた。
昼前後だった過去の訪問と違い今回の時間は夜明け前、
光によって刻々と変わりゆく風景の変化を楽むこととなった。
本来星を見るつもりで訪れたものの悪天候によってかなわず
結局一週間後、天空の池へ再度挑戦する事となった。


photo:Canon eos7d 15-85mm

天空の池、夏の徘徊記
天空の池 〜秋編〜
天空の池〜深夜編〜



しらびそ高原星空1607shirabiso.jpg


午前3時半。長野県飯田市上村。
標高1980m、しらびそ高原の空き地に停めた車の中で目が覚めた。前日長野県の各所を徘徊、夜になったため標高の高い場所を探し辿り着いたのがこの場所だった。しかしここは山上に建つホテルの敷地ということもあって車中泊料が必要となってしまった。とはいえその標高故熱帯夜とも無縁、快適な夏の夜を過ごす事ができた。



しらびそ高原に隣接する大鹿村と言えば天空の池。2000mを越える山上にありながら、車で訪れる事ができることから絶景スポットとして近年人気急上昇中。実は前日、別の用事で大鹿村を通過した際、半年ぶりとなる池訪問に挑戦した。うまく行けば池のほとりで車中泊、満天の星を眺める事ができるかもしれないとの淡い期待も抱いて山道を進んでいく。

ところが池がある黒川牧場が近づくにつれ空は暗雲に覆われ土砂降りの雨が降り注ぎ始めた。
この日、発達した積乱雲が長野県南部を覆い大鹿村では記録的な豪雨となった。池へと向かうダート道へ入ったものの道路脇の滝から溢れ出した水が茶褐色の濁流となって猛烈な勢いで傾斜のある路面を流れ下る。ほとんど視界も聞かない雨の中、坂道の途中のわずかなスペースで必死で転回し、なんとか黒川牧場入り口まで下り事なきを得た。
しらびそ高原で車から降り空を見上げればわずかに白み始めた空に多くの星ががまたたいている。今日は間違いなく好天。そんなわけで池へと再挑戦することにした。



昨日の撤退から12時間後、曲がりくねった国道152号と林道中峰黒川線を走り黒川牧場入り口へ再到着。ゲート周辺は何事もなかったかのように静まりかえっている。悪路のダート坂を登っていくにつれ空の青みが増し始めた。夜明けも近い。
昨日濁流が流れたわだちを乗り越え急傾斜のつづら折りを登りついに目的地の池がある平地が現れた。薄暗い空間に空を反射しぽっかりと浮かび上がる丸い湖面。半年ぶりの天空の池に到着。


長野県大鹿村天空の池1607ooshika011.jpg


ドアを開け外に出ると冷気が体を包み込む。早朝5時半。このような早い時間帯に池を訪れるのは初めてのこと。
標高2016m。眼下に雲や山々を俯瞰するまさに天空。誰が名付けたかその名に恥じないロケーション。


長野県大鹿村天空の池1607ooshika03.jpg
長野県大鹿村天空の池1607ooshika04.jpg


池自体は直径20mほどの小さなもの。
周囲は苔や枯れた倒木が植物に覆われた池塘のような姿となっている。池を取り囲む草原は細かい朝露に覆われ少し歩き回っただけで膝より下がびしょ濡れとなってしまった。ちょうど一年前に行った群馬長野県境の毛無峠探索時とまったく同じ状況。→LINK


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5時半だというのに池周辺にはすでに二人の先客が。話を聞けばうち一人はあまりに荒れた道に車が進まず途中から徒歩で訪れたという。そういえば先ほど下のダート脇に車が放置されていた。




到着から30分あまり、東側の山から顔を出した太陽が移動するにつれ周囲の光景が刻々と変化していく。
到着時、闇の中だった湖面にも朝日が当たり始めた。彩度のない青みがかかった世界が草原の緑、池の青、それぞれ色鮮やかな本来のカラーを取り戻していく。斜光によって山肌の立体感が強調されいつもと違った新鮮が光景。


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長野県大鹿村天空の池1607ooshika015.jpg
長野県大鹿村天空の池1607ooshika018.jpg


登山なんかでは標高2000mを越える場所にある池に出会うことはさほど珍しい事ではない。
それなのに自分含め多くの人々を惹き付けるこの池の魅力は何なのだろう。気軽に訪れる事のできない隔絶された場所でダート道を走破した達成感とともに池に車を横付けし記念写真を撮ることができるのが理由のひとつなのかもしれない。
自分も他の方とも同じく今回も池に車を横付けし記念撮影。鏡面のような静かな湖面に車が見事に映し出されると自分程度の腕でもまるで広告写真かCMのような写真が撮れてしまう。

早朝だけあって夏にしては視界もクリア、遠方に目をやれば高森山の稜線越しに中央アルプスの勇姿を明瞭に見る事ができる。そういえば池周辺はどのようになっているのだろうかと少し山を登ってみる事にした。




池から伸びる登山道は笹山、二児山の二つ。北側の山へと続く二児山方面へとしばらく斜面を登っていく。周囲は笹に覆われたなだらかな丘のような地形。時折現れる立ち枯れたままの大木が大台ケ原のように良い感じだ。


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長野県大鹿村天空の池1607ooshika019.jpg
長野県大鹿村天空の池1607ooshika020.jpg


先ほどまで共に写真を撮った先客は山を下りしばらくの間、この空間を独り占め。
時刻はまだ午前8時過ぎ。そういえば朝飯がまだだった。昨日飯田市のコンビニで買っていたパンを池のほとりでかじっていると車のエンジン音とタイヤが砂利をこする音が次第に近づいてきた。続いて現れたのはかなりの遠方からわざわざ池だけを目的にやってきたという方。自分も絶景を明け渡すべくそろそろ池を後にしよう。


天空の池1607ooshikalake003.jpg

天空の池アクセス路1607ooshika022.jpg


さっそく例のダートが始まった。登りもきついが下りも怖い。土ぼこりを巻き上げながら慎重に下っていく。急傾斜の砂利道を慎重に下り続けなんとか黒川牧場入り口へと復帰、昨日の豪雨が嘘のように晴れ渡り静かな池に出会う事ができた。しかし心残りだったのが池から星空を望むことが出来なかったこと。というわけで一週間後、夜景撮影に再チャレンジすることとなった。



時計を見ればまだ午前9時。せっかく大鹿村を訪れたのならば訪れたい場所がもう一カ所。それはリニア建設予定地。
品川名古屋間を結ぶリニア中央新幹線はここ大鹿村を通過する。とはいってもそのほとんどがトンネル、村内で唯一リニアが顔を出す場所が架橋が建設される小渋川上流域。しかしこのポイント、深い谷底のため簡単に訪れる事ができず2年前の探索時【→LINK】の際も現場の目視すらできなかった。

事前調査の空撮では林道らしきものが川に沿って上流へと続いているものの採石場構内を通過するため通行不可能。それならば河原を遡上すればよいと靴を履き替え小渋川へと足を踏みいれた。
しかし挑戦もわずか10分たらずで終了、目の前に現れた巨大な滝によって行く手は完全に塞がれていた。先ほどの静かな天空の池とは対照的に轟々と音を響かせ流れ落ちる水の塊。


大鹿村上蔵砂防堰堤1607ooshika023.jpg


もちろん闇雲に進んだ訳ではなく出発前、国土地理院の地形図で周囲の事前調査を行っていた。この場所に堰を現すマークはあったもののまさかここまで大規模なものだとは・・これでは遡上など到底不可能。すごすごと引き返し大鹿村を後にした。

[続く]
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