●2016年11月某日/禁教の島、野崎島上陸記.04〜無人島の夜明け〜

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長崎県五島列島の果てに浮かぶ無人島、野崎島。
明かりもない島で星に包まれ一夜を過ごす。
夜明け前、宿泊していた廃校で目を覚し、日の出を眺めようと裏山へと登った。


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photo:Canon eos7d 15-85mm

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冷え込んだ校庭を横切り廃校の裏山に登り日の出を待つ。
東の水平線が次第に白み始め野首天主堂や枯れた木々のシルエットが浮かび上がった。日の出前の30分、この時間帯が最も好きだ。

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それにしても寒い。季節は晩秋、海から吹き付ける夜明け前の風は思いのほか冷たく、リュックからありったけの服を取り出し重ね着したまま高台に立ち続ける。
空に青みが増すと同時に水平線を埋める雲が赤く染まり朝日が辺りを照らし出した。振り返ると東を向いた野首天主堂の煉瓦も光を浴びさらに赤く染まっている。


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太陽が昇るにつれ朝日は壁面をなめるように広がりやがて天主堂全容が照らし出された。

古びた扉を開け天主堂内足を踏み入れる。まだ夜は明けたばかり、薄暗い室内を想像していたものの、意外なことに内部は射し込む朝の光とカラフルなステンドグラスが作り出す色彩で溢れていた。


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野崎島2日目。
話に寄れば本日はツアーの団体客が島に上陸するとのこと。漁船を丸ごとチャーターし最近整備された野首港から上陸するのだという。ビジターセンター建設工事にも驚かされたが忘れられた島野崎島が今やツアーの舞台だとは。これが世界遺産候補の力なのか。さらに驚かされる。



午後の最終便で島を発つ。町営舟「はまゆう」が港を出航する頃には野崎島上空は到着時と同じように厚い雲に再び覆われつつあった。




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翌朝、早朝。
雨の小値賀島。昨夜は小値賀港近くの民宿に宿泊、今朝のフェリーで佐世保に向かい長い帰路につく。今回の旅もまもなく終了、重いリュックを背負い雨に濡れながらフェリーターミナルへ駆け込んだ。
雨続きだった2016年秋、野崎島滞在中晴れ渡ったのは奇跡だったと思う。


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午前7時40分、佐世保行きのフェリーなるしおは定刻通り小値賀港埠頭を出航した。
佐世保港までは約2時間半の船旅、港から共に乗り込んだ島民と思われる20名程の乗客達は二等船室へ入ると用意された毛布を広げ一斉に潜り込んだ。自分も毛布とリュックで場所を確保、船室から出ると甲板へと通じる階段を登った。



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海上は叩き付ける大粒の雨で白く煙り灰色の光景が広がっていた。
屋根の下にも雨が吹き込む誰一人として姿を見せない甲板で、水平線を見つめ続けると乳白色のベールを剥がすように姿を見せた黒ずんだ塊、それが野崎島だった。濃い緑と青い海だった昨日までの鮮やかな姿が一変、霧に包まれたモノトーンの姿はどこか神秘的にも感じてしまう。


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フェリーは野崎島と中通島との間にある狭い海峡、津和崎瀬戸を通過、白い十字架が建つ潜伏キリシタン集落、舟森沖を進み外海へと出た。黒ずんだ森に包まれる西岸とは対照的に東側は断崖が続く荒々しい光景。
吹きつける細かい雨粒を浴びながら飽きもせずに島を眺め続けた。


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野崎島がみるみる遠ざかって行く。
やがて島は再び深い霧に包まれると幻のよう消え去りフェリーの航跡だけが残された。

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おおよそ20年ぶりに訪れた野崎島では朽ち果てる一方だった島の予期せぬ変化に驚かされた。
島は今後どのように変化して行くのだろうか。

[了]
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