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●2017年2月某日/三遠南信徘徊

  • 2017/04/01 22:13
  • Category: 廃校
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愛知静岡長野、三つの県境が交わる「三遠南信」の山岳地帯には
秘境駅や廃道、山岳集落などマニアを惹き付ける怪しい場所が点在している。
前回この地を訪れたのは2009年、飯田線沿線にある秘境駅、小和田駅を訪れた時だった。
その際さらに山中にあるという廃校探しを行ったものの見つけ出す事ができず。
そんな三遠南信の秘境に久しぶりに挑戦した。



photo:Canon eos7d 15-85mm


先月訪れた紀伊山地に匹敵するような山々が見渡す限り続く三遠南信山岳地帯。
深い谷底から山道を登り続けようやくその全容を見渡せるようになった。眼下にある緑色の流れは佐久間ダムによってせき止められた天竜川。流れもなく、時が止まったかのような風景の中で唯一動くものは浚渫船。湖底に堆積した砂を排除すべく行き来きする船のエンジン音がこの場所まで風に乗って届いてくる。


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それにしてもここに到着するまでが長かった。先日、崩落した橋に代わり設置された架設橋を渡り三遠南信の入口でもある佐久間ダム堰堤に到着したのが昼。その後湖畔に沿って続く県道1号線を地道にトレース。県道ではあるものの思わず「酷道」と呼びたくなるような狭道だった。



アクセスの悪さ故、秘境と呼ばれた三遠南信の山岳部地帯にも近年インフラ整備の波が届き始めている。現在この山々を打破すべく南側から長野に向かい三遠南信自動車道と呼ばれる高速道路が延伸中。
しかしこの先にある難所、それは「あまりの崩落の激しさに、日本のトンネル技術が敗退」と言われた青崩峠。数年前書いたように草木トンネルルートは失敗、大きく迂回を強いらることになった。→LINK 
今度こそ軟弱な地盤を掘削することができるか、青崩トンネル建設工事は着工したばかり。



時刻は既に午後、探索には遅いと言ってもよい時間帯。そういえばこの県境地帯にあった富山村(とみやま)が合併によって消滅していたのには驚かされた。前のサイトでは「総人口はわずか200人弱、離島を除き日本で最も人口が少ない村」と書いたように記憶している。

一台の対向車も現れないこのような地でも時折思いがけないような場所に民家が現れる。対岸の斜面に張り付く山岳集落、ダム湖対岸にぽつんとある隔絶された民家。このような秘境集落では一体どのように生活が営まれているのだろうか。


三遠南信山岳集落秘境集落1702san02.jpg
小和田駅俯瞰1703kowadasta.jpg


谷底の湖畔沿いを縫うように走る一本の線は愛知県と長野県を結ぶJR飯田線。佐久間ダム湖区間には無人駅が点在、秘境駅の宝庫とも呼ばれている。その中でも最も知名度が高いのが小和田駅。木々の合間から俯瞰した写真右上に小和田駅がかすかに写っている。駅舎付近は愛知静岡長野、三つの3つの県境が交わるまさに三遠南信の核心部。
かつて上流にある大嵐駅から電車に乗り小和田駅を目指したことがあった。当時は自分たち以外下車する人間は皆無だったが、最近はブームの影響で「秘境感」も薄れつつあるという。





この一体、かつては道も整備されておらず唯一の交通手段は天竜川。物資や人の輸送を行う艀によって点在する集落同士の交流が行われていた。しかし昭和初期、難工事の末飯田線の未開通区間が開通、悲願だった駅ができたことで空白地帯にも文明の光が差し込んだ。戦後佐久間ダム完成によって川沿いの路線や駅は水没を強いられたものの、ルートを大きく変更し現在に至っている。

林道はさらに荒れ始めた。路面には落石が散乱、いちいち車を停め石を撤去しながら進むため、遅々として進まない。挙げ句の果てには野犬にも吠えられ逃げ出す始末。

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高度が上がるにつれ周囲の光景は冬の装いへと変化、道路脇に現れる沢や滝は凍結している。やがて林道は山塊の稜線に差し掛り視界が風景が広がった。山を切り開いた急斜面に畑と民家。見覚えがある景色。そう、8年前はここまで達しながら廃校入り口を見つけることができず通過してしまったのだ。




道路脇を歩いている男性とすれ違う。三遠南信突入以来、数時間ぶりに見る人の姿。廃校への道順を教えてもらい山に入った。指示された急斜面をロープにつかまりながらよじ登りる。このルート、人に聞かねばわからなかっただろう。苔むした石垣が並ぶ山道を歩いて行くと森の中に木漏れ日を浴びる崩れ落ちそうな小屋が現れた。かつての分校跡となる建物。

教室の中心には小ぶりの椅子と机が黒板を向き据え置かれている。まるで最後の授業が終わってからそのまま保存されているかのような絵になる光景。


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建物の老朽化はひどく壁面、柱、床、それぞれ思い思いの方向へ傾いているため平衡感覚がつかめない。また校舎裏では壁面が崩れ落ち、そこから吹き込んだ枯れ葉が床を覆っている。人知れぬ山中になんとか立ち続けるこの校舎、倒壊するのも時間の問題かもしれない。

校舎正面にはわずかながら校庭らしい空間があった。平地が貴重な山中で、突き出た尾根の一部を削り苦労して作られたものだろう。片隅には草に埋もれさび腐りかけた遊具が残されていた。



斜面を下り林道に戻ると、先ほどの道を教えていただいた方に挨拶、廃校の感想を伝えると、次の目的地へと再び林道を走り出した。しかし冬の日暮れは早く途中で時間切れ。結局到着することができず長野方面へと進路を変えた。


[了]

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