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●2017年10月某日/北海道徘徊02〜道東徘徊〜

  • 2017/11/18 21:35
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2010年版ツーリングマップルを片手に7年ぶりとなる北海道徘徊二日目。
早朝6時。寒い。秋の帯広は0度近い冷気に包まれていた。
やはりこの時期の車中泊は無謀、宿に泊まって本当によかった。
7年前、ツーリングマップルにチェックした廃校巡りを行うべくレンタカーで帯広を出発。
広大な平野を南北に貫く直線道路を北へと走り続けた。


photo:Canon eos7d 15-85mm

[前回の記事]


本日は例のツーリングマップルの出番。昨夜、帯広のビジネスホテルに籠もり、7年前にチェックしたまま使われる事のなかった情報を最新地図に落とし込む作業を行い大方の位置は判明。しかし目的地それぞれが広大な平野や深い山間部に点在するため、時間がかかりそうだ。

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早朝から廃校をひとつひとつ潰していくもののその広大な土地柄故、予想通りとにかく手間がかかる。既に5物件ほど回ってはみたがこの7年の間に転用されていたり、あるいは工事事務所として使用されていたりと正直魅力的なものはほとんど見当たらず。こればかりは観光とは違う廃校巡りの宿命なので仕方がない事なのだが・・・。
写真は廃校探しの途中出会った廃牧場。青空と対照的に冷えきった早朝の森の中に錆び付いた牧舎のような建物が残されていた。


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廃校を探しながら北上を続けた直線道路はやがて石狩山地の裾野へと行き着いた。
この場所で広大な平野は終了、幹線道路を外れ山の谷間に作られた広域農道を走り続ける。色づき始めた木々に覆われる山道を登って行くと空が広がり、丘陵が続く牧草地に出た。秋だというのに青々とした緑が残り夏のような明るい雰囲気。茂喜登牛(もきとうし)とよばれる地区。

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牧草地の道路脇には木々に埋もれた廃校舎が残されていた。



山を下り幹線道へ復帰、足寄の小さな市街地を抜け阿寒湖へ続く道へ入った。
交通量がある足寄と阿寒湖を繋ぐ幹線道路240号線、通称阿寒横断道路を車列に挟まれ東へと走り続ける。その道中現れた脇道が目的地への分岐点となる。前後の車列は阿寒湖方面へそのまま直進、山へと続く怪しい脇道に入るのは我がレンタカーだけ。
右折し入ったのは秘湖オンネトーと足寄を直接結ぶ道道664号、「モアショロ原野螺湾足寄停車場線」という非常にややこしい名前の道。この先はダート道となっているためか、オンネトーを目指す観光客も利用する事もないようで交通量は皆無。

山に挟まれた道を上流へ走り続けると紅葉した森の彼方に噴煙を上げる冠雪した雌阿寒岳の勇姿が見え始めた。まもなく目的地が現れるはず。やがて谷間が広がり上螺湾(らわん)というと書かれた看板が現れた。先ほどの茂喜登牛といい北海道は魅力的な地名の宝庫。

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目的地の小学校跡は道道から外れ山側に分け入った高台に残る。周辺に民家ほとんどなく、また道からも直接視認する事ができないため廃校があるように思えない場所。しかしこの場所を訪れるのは初めてではないため迷いもせず森に包まれたダート道へ入り土ぼこりを巻き上げながら登って行く。

この廃校も、最後の北海道徘徊となった7年前に使用したツーリングマップル地図上にマジックでマークが記された物件のひとつ。廃校目指し逆方向の阿寒湖オンネトー側から下ってきたものの当時は台風の影響で土砂降りの雨、目の前まで到達しながら白く煙る建物を遠目に車から降りる事もなく、写真も撮っていない。



今日の天候は、冬の訪れを感じる乾き澄み切った秋晴れ。秋雨前線が張り付き連日雨続きの本州が嘘のようだ。ダート道を登りきると枯れた畑の彼方に平屋の建物が見えた。

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廃校上螺湾小学校0710hokkaido0215.jpg


かろうじて建つ赤やオレンジに染まる鮮やかな森と青い空と対照的な建物が1970年頃に閉校した上螺湾小学校跡。
7年もの間、解体される事なくまだ残されていたことに感動。


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廃校上螺湾小学校0710hokkaido0216.jpg


平屋の学校は校舎、講堂、二つの建物で構成されている。閉校後は倉庫として使用されてきたのか壁面には大きな穴が空けられ内部は農機具等が散乱、荒廃していた。

北海道は開拓の歴史、ここ上螺湾での入植は明治期まで遡る。
町史によれば当時すでに足寄までは鉄道が開通、入植希望のわずか数戸がオンネトーを源流とする螺湾川に沿って上流へと遡った。そして人跡未踏のこの地を切り開き畑や牧草地がつくられたという。

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廃校から下った場所にある川沿いの集落外れには苦労を重ねた開拓前夜を思い起こさせるような木造牧舎廃屋が残されていた。この周辺、入植当時はおそらく背丈を超える螺湾ブキが密集する緑の海だったのではないか。

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このまま東へと走るとダート道を経て最近人気のオンネトー湖に行き着くが、反対側から紅葉目当ての観光バスが殺到、細い山道で渋滞でも引き起こされていたらたまらない。昔の気ままな日本一周旅と違い今回はわずか四日間。時間を無駄にできないため、オンネトー湖訪問をあきらめ、地図に掲載されていない新道で尾根を超え再び阿寒横断道へ復帰した。



真横を通過しながら有名な阿寒湖にも立ち寄らず。もっともこの観光地、正直あまり良い印象はない。観光業者が我先に景観を横取りした結果、古びたホテル郡が湖畔を隙間なく埋め湖の眺望ゼロ。寂れた路地裏のコインランドリーで役に立たない乾燥機に何度も金を投入する羽目になり結果、大金を使ってしまったこと、入口が壊れ閉じ込められた末、窓をこじ開け脱出したこと。最も10年以上前のことなので現在は改善されたのかもしれないが、阿寒湖には変な思い出ばかりだ。


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現在通過中の阿寒湖脇に今回の旅の予定を左右する交差点がある。特に目立つ交差点ではないがここが旅の分岐点。ルート選択をミスすると十勝平野南端にある宿到着時間はおそらく深夜になってしまう。この交差点を釧路方面へと右折し炭坑再訪か、それとも、さらに東へと直進し広大な牧草地を走るか。ハンドルを握りながら進路を迷ったあげく東進を決意、交差点を直進、昨夜帯広のコンビニで補充しておいたパンを片手で食べながら山道を走り続け弟子屈付近へ達した。



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午後1時。ゆるやかな丘陵地の山頂付近にある景色の良い場所。広大な道東の丘陵地を一望に見渡す事ができる900牧場と呼ばれる場所。ようやくまともな場所で車を停めることができた。早朝6時の帯広出発以来、ここに至までエンジンを停止させたのは廃墟、廃校だけという相変わらずのマニアック旅。

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10月の北海道はオフシーズンなのか牧場駐車場に車は一台もなし。かつて近隣にある開陽台という牧場で何度か車中泊をした事があるが夏ならば涼しそうなこの場所でぜひ寝たいものだ。

ツーリングマップルを広げこの先を思案。今回の訪問予定地のひとつにさらに東へ進んだ先にある廃牧場がある。海辺の大草原に煉瓦のサイロが残る魅力的な光景に惹かれ、出発前、空撮を駆使し場所を特定してきたのは良いが既に午後。午前中の廃校巡りで予想以上に時間を取られ今からでは到底間に合いそうもない。



というわけでけで今回の北海道東進は弟子屈付近で停止。進路を西へと変更するべくUターン。例によって主要国道から外れ適当な脇道や広域農道を走る。本州と違い北海道では山中の脇道に入ってもまず外れはない。除雪のためなのか道路へ莫大な予算が投下されているようで人の気配のない場所でも広大な二車線道路がどこまでも続く。


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丘陵地帯がどこまでも続く無人地帯。ゆるやかなアップダウンを繰り返す対向車もほとんど現れない道をレンタカーでひたすら走り続ける。時折草原が切れると小さな町が現れる。こじんまりとした通りに民家、商店、郵便局、学校が並ぶ。わずか数百メートルに収まってしまうこの場所に町の生活すべてが凝縮されているかのようだ。そんな道東の風景は、だらだらとメリハリのない街並が続く本州とは違い大陸を感じる憧れの土地。

わずか数分で通過してしまうこのような町、キングの小説によく登場するアメリカ郊外の典型的な田舎町のようだ。北米の荒野にある平凡な小さな町。とある昼下がり、観光客も訪れるはずもない静まり返ったメインストリートに見慣れぬ他州ナンバーのアメ車が入ってきたところから物語が始まる。ぼんやりと通りをながめる自動車修理工か雑貨屋の老人が事件の目撃者となるのだ、とあまりにも暇すぎて、ハンドルを握りながらいつものようにくだらない妄想に浸ってしまった。




北海道。面積83km²に及ぶ広大な土地。訪れるのはもちろん初めてではなく過去には車中泊とキャンプを行いながら一ヶ月以上徘徊した経験もあるためその広さは前もって体感済み。しかし唯一の誤算、それは秋の北海道の日暮れの早さだった。日本の再東端に位置する釧路地方と自分の住む本州では時差もあることも当然理解していたはず、それでも10月の北海道は午後2時でも西日模様。


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次に目指す廃校は、先ほどのような草原ではなく森の中に残るという。生い茂る木々によって光が遮られしまう時間まであとわずか。なんとか日暮れに間に合わせたいと音別町(現在は釧路市)山間部を繋ぐ広域農道やダート道を駆使し西へ西へ。このようなマニアックな道はレンタカーに設置された簡易的なポータブルカーナビには表示されないためツーリングマップルを読み取りながら進んで行く。

同じような風景が延々と続き目標物がまったくないため何度か道を間違え、Uターンを繰り返しながら奥地へ。気がつくと牧草地に点在していた民家も消滅、周囲は無人地帯に。数十分にわたり一度たりとも対向車に出会う事もなく西日に包まれる逆光の森を走り続けやがて道道の終点が近づいてきた。ここで舗装路は途切れその先はダート林道。その脇に目的地はあった。

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間に合った。日はまさに周囲を覆う木々の合間へと落ちようとしていた。今日最後の光に包まれる小さな平屋の建物はかつての霧里(むり)小学校校舎。


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[続く]
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