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●2018年8月某日/夏の廃校に泊まる

  • 2019/01/06 18:01
  • Category: 廃校
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青森県津軽半島の先端、竜飛崎のキャンプ場で朝を迎えた。
何度ここで朝を迎えた事か。相変わらず素晴らしい場所だった。
「北の果て」を目指すという目的は終わったので
細かい場所に立ち寄りながら夏の東北大陸を南下開始。


photo:Canon eos7d 15-85mm

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長かった夏の日が傾き、広大な田圃が金色の光に包まれる。青森県の竜飛崎から二日をかけ南下を続け山形県へと辿り着いた。田圃に囲まれたのどかな里山の片隅には古びた木造二階建ての建物が見える。この建物は30年ほど前に廃校となった分校の木造校舎。
今夜はこの廃校に泊まるのだ。

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午後4時、「廃校」に到着した。草原のようになった緑の校庭へ車を乗り入れ、見回しても周囲は静まりかえり人の気配は皆無。
鍵もかかっていない木造校舎の古びた扉をガラガラと開き、中に向かい何度も呼びかけても誰も出て来ない。仕方がないので校庭で遊ぶこと1時間、ようやく軽トラに乗った管理人が現れた。これまでも数多くの廃校に宿泊してきたがその安さ故か適当な場所が多かった。ここも予想通りなかなか適当な感じだ。だがそれが良い。



この廃校、体育館を含め三つほどの建物が作るL字型の集合体となっておりその規模も大きい。閉校から30年余りが経過、現在は地元の会合等で時折使用されている形跡はあるものの、老朽化は否めずまるで廃墟に泊まっているかのような気分だ。
ボールが散乱する体育館跡で遊んだり、図書室に残された本を読んだりと時間を過ごす。

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当然ながら他に宿泊客の姿もなく、寝る部屋もどこでも良いとのことなので木造校舎の1階、2階の全ての部屋を見て回り最も居心地の良さそうな部屋に決めた。
寝る部屋は黒板が残された1階の元教室。部屋の片隅に山積みとなった布団から自分の分を引っ張り出し広大な部屋の中央部に敷く。スーパーで買い出しをした食材を食べているうちに日は沈み里山は闇に包まれた。

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やがて管理人も帰宅し巨大な廃校は貸し切り状態となった。教室のカーテンを開けると窓には漏れる明かりに集まった無数の羽虫がびっしりと張り付いていた。田舎育ちなのでそのような光景を見てもなんとも思わないが苦手な人は悲鳴を上げてしまうかもしれない。街灯下には同じように光に集まったクワガタを見る事もできた。

夜も更けると、校舎の灯りを全て落とし真っ暗となった校庭で星を見る。無数の夏の星座。価格も非常に安く勝手気ままに過ごせる自由度の高い廃校の宿。とても気に入ってしまった。




青森から南下する道中立ち寄った場所のひとつ、宮城県山中にある不思議な色をたたえた池、潟沼。
以前から地形図で気になっていたこの場所を今回ようやく訪れる事ができた。森が切れ視界が開ける同時にグリーンの湖面が現れた。潟沼は数日前訪れた十和田湖と同じ火山が作り出したカルデラ湖。そのため周囲を丸ごと山に囲まれた窪地となっており流れ出す川もない。

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遥か対岸に見える砂浜のような場所が気になり、湖畔に沿って草むらを歩き出した。波もない凪状態の鮮やかな湖面。静かに広がるボートの航跡。



そんな美しく静かな潟沼に響き渡る不気味な音。間違いなく銃声だ。猟銃かと思いつつ後に地図を見ると潟沼の対岸に射撃場があった。美しい光景と不釣り合いなシュールな音。定期的に湖上に響く銃声を聞きながら湖畔を歩き先ほどみた「砂浜」に到着。

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そこは白い砂が堆積する場所だった。南国のビーチを彷彿とさせる風景。水に足をつけてみたいものだが、看板によれば潟沼の水質は火山活動の結果、非常に強い酸性となっている。まさか酸の湖のように身体が溶けてしまう事がないだろうな、思いながらおそるおそる素足をつけてみると以外に心地良いぬるめの水だった。




宮城、山形、新潟。他にも各所を巡りながら広大な東北地方をだらだらと南下。

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夜が迫った日本海の街は赤く染まる不気味な雷雲に包まれていた。雲の中を音もなく稲光が走り続ける。
そろそろ今回の旅を終えるか。

[了]



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