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●2019年8月某日/毛無峠で見た風景

  • 2019/10/18 23:20
  • Category: 写真
特集毛無峠タイトル1919kenashitop.jpg
長野群馬県境に広がる草津白根山系の西端にある毛無峠。
日本離れした荒涼とした光景が魅力的な1,823mの行き止まりの峠。この場所を訪れようと思い立ったのは15年ほど前に購入したツーリングマップルで見た「峠から群馬側は未舗装」と書かれたコピーがきっかけだった。
そして2012年秋、狭い林道を走り続け初めて到着した到着した毛無峠だったが当日は真っ白な濃霧に覆われ視界ゼロ。その3年後、再挑戦した毛無峠で嵐の惨劇、花火、星空、鉱山跡と立て続けにドラマチックな出来事に見舞われたのがきっかけで毎年、夏になると定期的に毛無峠を訪れ車にシュラフを敷き車中泊を行うのが恒例となった。気象の変化が激しい高所だけあってむろん毎年晴れている訳ではなく、満天の星空の下、寝たこともあれば誰もいない峠で暴風と濃霧、漆黒の闇に恐怖を感じながら孤独な夜を過ごしたこともあった。
最近では毛無峠もいろいろな意味でメジャーとなり2019年夏の夜間には車中泊の車十数台、テント泊でのキャンプが数幕とその混雑ぶりに驚かされた。写真も貯まったので7年間の印象的な光景を適当にアップ。 


・写真をクリックすると拡大します。
・過去の毛無峠徘徊記録→LINK

毛無峠日の出1909Kenashipass01.jpg毛無峠索道1909Kenashipass06.jpg
毛無峠植物1909Kenashipass04.jpg毛無峠索道1909Kenashipass07.jpg

●夏の夜明けは早い。午前4時前には日の出前の見事なグラデーションが毛無峠の東側に広がる。●毛無峠の象徴、索道跡。毛無峠といえば群馬側の小串鉱山が有名だが写真に写る長野県側の谷底にも高井鉱山と呼ばれる硫黄鉱山があった。●木々も生えない毛無峠。それでも峠周辺には厳しい環境に耐えながらも高山植物がわずかに群生している。●日没後、吹き荒れていた強風がピタリと収まる時間帯がある。薄暮に包まれた索道鉄塔群。距離感のない不思議な光景。鉱山施設のほとんどは閉山後撤去されたのにもかかわらず索道だけは不思議なことに解体されず残され峠のシンボルとなっている。

毛無峠積乱雲1909Kenashipass08.jpg毛無峠積乱雲1909Kenashipass09.jpg毛無峠雷1909Kenashipass10.jpg
毛無峠道1909Kenashipass13.jpg毛無峠ササ1909Kenashipass15.jpg毛無峠看板1909Kenashipass14.jpg

●標高1,823mの高所では上空の気象の変化がダイレクトに影響する。積乱雲、霧、峠に停めた車の車内でくつろぎながら刻一刻と変化する気象を眺めるのも楽しい。●夏の夕刻、対流圏界面に達した積乱雲は頭頂部が水平に広がりかなとこ雲とよばれる形態に変化した。この直後吹きさらしの峠で猛烈な暴風雨と至近距離の落雷に巻き込まれた。●嵐は去った。暴風雨をもたらした雷雲は日没と共にエネルギーの供給源を失い力なく放電をくり返していた。●峠直前で舗装路は途切れ荒いダート道が続く。このダート道は例の看板によって封鎖され通行止めとなっているがかつては小串鉱山と下界とを結ぶ重要路であった。しかし冬期の通行は困難であり鉱山街に住む鉱員とその家族2000人余りの生活維持のため毛無峠直下に毛無隧道と言われるトンネルが掘られた。その結果陸の孤島となってしまう冬期の生活環境は改善したものの現在、この隧道は埋もれてしまい場所も定かではない。●群馬側の斜面には緑のクマザサが密集する。遠目にはさわやかな草原に見えるが藪漕ぎは困難。特に朝方は葉についた朝露によって衣類がずぶ濡れになってしまう。●毛無峠で最も有名な群馬県看板。実物は意外に大きい。年々「群馬県」の文字が薄れ最近は判別も難しくなってきた。遭難多発地帯と書かれているように目標物が少ない峠周辺においては濃霧の中で道を失う可能性があり特に鉱山跡探索の際は注意が必要だ。

毛無峠星空1909Kenashipass05.jpg毛無峠バス1909Kenashipass02.jpg
毛無峠索道1909Kenashipass20.jpg毛無峠積乱雲1909Kenashipass22.jpg毛無峠県道1909Kenashipass12.jpg

●毛無峠の星空。特に夏場は霧が発生しやすいためこのような星空が毎回見えるわけではなく夜間晴れ渡ったのは過去5回の車中泊でわずか2回。半分以下の確立。●一体どうやってこの山岳道を走破してきたのか、峠の鞍部には場違いな大型バス。このバス内で暮らしていた老人、偶然にも13年前の日本一周時、津軽海峡で言葉を交わした人物だった。●峠に停めた車内で朝を迎えた。結露した窓を拭き車中泊を行っていた車から出る。浅間山を背景に立ち尽くす索道の鉄塔。風の音もない静かな峠。根元から倒壊した索道も目立つ中、これらの遺構はいつまで強風に耐え続けるのだろうか。●この日、ようやく到着した峠は濃霧に覆われていた。車を停め車内で本を読み続ける。ふと明るい気配を感じ外に出ると霧が切れ視界が開けた。しかしこの光景もつかの間、峠は湧き上がる霧に再び覆われ翌朝まで晴れ渡ることはなかった。●毛無峠唯一のアクセス路、県道112号線。長野県側からはこのような山道が延々と続く。地図上やカーナビ上では道は県境の毛無峠を越え下っているように書かれていることが多いが実際には通行止めとなっているため交通量もほとんどない。

毛無峠索道1909Kenashipass16.jpg毛無峠索道1909Kenashipass19.jpg毛無峠夕日1909Kenashipass21.jpg
毛無峠夕日1909Kenashipass03.jpg1909Kenashipass24.jpg

●錆び付いた索道の滑車。索道とはケーブル上をゴンドラが移動する運搬手段のこと。ここでは人用ではなく物資運搬手段として毛無峠上空を跨ぎ群馬県側の小串鉱山と長野県を結んでいた。往事には滑車が発するガラガラという音が昼夜なく峠周辺に響き渡っていたことだろう。●真夏に行う平地でのキャンプや車中泊はオススメしない。熱帯夜、蚊の襲来。眠れぬ夜を回避するには標高差を利用するに限る。毛無峠上空に星空広がる夏の夜、高所だけあって平地での熱帯夜が嘘のような涼しさに熟睡。●雨上がりの峠。大気のチリが洗い流され澄み切った夜空が広がっていた。●霧は時間帯によって様々な色を見せる。夕方、射し込んだ西日が霧中を透過、拡散することで周囲が黄金色に輝く瞬間がある。●なだらかな岩場が続く群馬県側とは対称的に峠を挟んだ長野県側は切り立った緑の谷が続く。谷底には索道鉄塔が見える。かつてこの谷底には硫黄を採掘する高井鉱山があった。その後、群馬県側に大鉱床が発見されたため主力はそちら側に移り小串鉱山となりやがて高井鉱山は放棄された。

[了]
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