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●2020年12月某日/倒壊した森の廃分校、その最後の姿。

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半年程前の夏、久しぶりに訪れた人里から隔絶された愛知県山中に残る分校跡。
老朽化した小さな校舎は傾き倒壊寸前となっておりその消滅も時間の問題だと書いた。
あれから数ヶ月。ついに分校校舎が倒壊、70年近くの歴史を終えたと情報をいただいた。
冷えきった冬の森の中、現れたのは残骸となった校舎の姿。


photo:Canon eos7d 15-85mm

まずは前回、2020年の夏に撮った写真を比較用に掲載。
愛知県山間部の入り組む尾根の合間に森に埋もれた廃校が残されている。鞍部となったわずかな平地に建つ古びた二棟の木造平屋。この小さな建物がかつての分校と教員住宅の跡地。

宇連分校跡2006ure07.jpg
宇連分校跡2006ure010.jpg

建物は既に大きく傾いている。垂直に伸びる杉の木立と比較するとその傾斜は一目瞭然。
いつ崩れ落ちるかもわからず、上記写真は建物の外側から撮ったもの。

宇連分校跡2006ure09.jpg
宇連廃村2006ure017.jpg

このような姿を目の当たりにして「廃校となってから50年あまり、倒壊も時間の問題だろう」と当時の記事に書いた。

2020年12月/倒壊した分校

宇連分校倒壊2012aichibunko01.jpg

数ヶ月前の夏の暑さが嘘のように冷えきった山中。日も射し込まない薄暗い山道を歩き続け到着した鞍部。
そこにあったはずの小さな分校校舎は情報通り倒壊していた。

宇連分校倒壊2012aichibunko010.jpg
宇連分校倒壊2012aichibunko03.jpg
宇連分校倒壊2012uredrone02.jpg

落下の衝撃と屋根の自重によって、地べたへと裾野を広げるように、数本の杉の木を巻き込みながら潰れていた校舎。
よく見ると校舎は真下へと潰れたのではなく、側面へ倒れ込んだことがわかる。



屋根には一本の杉が裏側の斜面から倒れ込んでいる。屋根にもたれかかるこの倒木、確か前回の訪問の際も既にあった。杉は大木というほどの太さでもない。しかしこの程度の重さでも、大きく傾きかかろうじて均衡を保っていた校舎にとっては致命傷となったはず。

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宇連分校倒壊2012aichibunko011.jpg
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崩れた校舎に近付くと砕けたばかりの木材の生々しい匂いが立ちこめていた。先日訪れた解体中の廃校でも嗅いだ同じような匂い。倒壊してからまだ一ヶ月ほどだろうか。薄暗い森の中で管理もなされないまま50年数、逆にここまでよく持ったというべきか。

宇連分校ドローン空撮2012uredrone01.jpg

分校跡が残されている場所はこのような杉林の中。周辺にはかつて小さな集落があり生活が営まれていたが、現在は廃村となっている。人が去った後、植樹されていた杉が伐採される事なく成長を続け人の痕跡を包み込んでいったのだろう。

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それにしても廃校がある場所の立地に改めて驚かされる。同じ高度から周囲を見渡しても人工物は送電線の鉄塔一つすら見あたらない。



校舎が倒壊したことで現存する分校遺構は隣接する教員住宅の跡だけとなった。しかしこちらも崩壊した校舎と同じように屋根に杉が倒れ込み建物は傾いている。

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今まで見てきた各地に残る無数の廃校。
それらの中には、今回の分校のように隔絶された場所で人目にも触れず、なんとか建ち続ける木造校舎も数多にあった。その多くが戦前に建てられたもの。
耐用年数を遙かに超えた2020年現在、それらの校舎は人知れず倒壊、失われていく時期なのかもしれない。

[了]

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