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●2023年秋某日/山塊の果て、小屋のある廃牧場にて。

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かつて放牧が行われていたものの現在は放棄された牧場跡地。
廃的なものにもかかわらず開放感あふれる光景とのギャップが魅力的な場所が多く
本サイト内にも各地の廃牧場がよく登場する。
規模はそれほどではないが草原と廃屋との組み合わせが絶妙の高所、
そんな今回訪れた廃牧場の風景の紹介。


※本記事は訪問時のものです。現在の状況は異なっている可能性もあります。

空撮写真で事前に調べた限り、牧場跡までは細々ながら車道が通じているようだ。山中の分岐から最終アクセス路である車道に入ると道は一気に荒れ始めた。季節柄、両側から覆い被さる草木が、複雑に分岐する車幅ぎりぎりの山道を覆い、それらが車体をこすり続ける嫌な音を聞きながら走り続けた。
草木が切れ視界が開けた。

富山県南砺市原山牧場跡2309harayamafarm0101.jpg

巻雲が広がる空と草原。青と緑の世界。延々と続いてきた山塊はここで切れ落ち、眼下には平野が続いている。
見渡す限り牛の一匹の姿も、人の姿もなく、もちろん観光客向けの施設も皆無の無人空間。やはり現在は使用されていないようだ。

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広大な風景の中にある人工物が好きだ。
今回の廃牧場のポイントは中央に建つ木造の建物。おそらくかつては牧場管理棟だったと思われる建物も現在は色褪せ廃屋のような状態。このような建造物、あるいは一本の大木があると単調になりがちな草原の構図が引きしまる。
とはいえ似たようなアングルばかりだ。

富山県南砺市原山牧場跡2309harayamafarm0102.jpg
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自分好みの廃牧場[下記リンク]には廃墟、池、小屋。いずれも草原以外のポイントがあるのだ。

能楽の里牧場2021contentnougaku.jpg鳥甲牧場2020contenttbokujyo.jpg
2020年長野県大鹿村天空の池2013contenttenkunoike.jpg廃墟牧場2013contentnatsuyaki02.jpg


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揺れ続けるススキの穂、流れゆく雲、地表を移動する雲の影。誰一人現れない風が吹き抜ける広大な草原。
色褪せ傾きかけた給水塔の足元には牛が使用していただろう水飲み場跡があった。

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富山県南砺市原山牧場跡2309harayamafarm0103.jpg
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厚い雲、そして霧に覆われた灰色の牧場跡。天候によって場所の印象は大きく変わる。

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日没間近。眼下の大地に射し込む夕方の斜光が平野をきらめかせる。
灯り始めた店舗の光、移動するヘッドライトの光、生活が営まれている下界へは手が届きそうで届かない別世界。自分が立つ失われたこの空間とは実際以上の距離を感じてしまう。 

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やがて斜光は廃牧場にも到達した。今日最後の光が草原へと差し込み、揺れる無数のススキの穂が逆光に浮かび上がる。下界目を向けると眼下はすでに闇に包まれていた。

[了]
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