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●2013年4月某日/爆弾低気圧

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爆弾低気圧。
その名の通り爆発的に発達する低気圧を指す。
わりと昔から使われていたネーミングなのだが近年、
言葉狩りによってゲリラ豪雨とともに消えつつある名称だ。
発達する低気圧が多かった今年の春先、
そんな爆弾低気圧が通過した春の1日。

photo:Canon eos7d 15-85mm


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暗雲立ちこめる海。風もさほどではなく、海も予想よりは荒れてはいない。しばらく見入っていたもののバラバラと大粒の雨が落ちてきたのを機に引き返す。



日本海を東へと進む爆弾低気圧によって全国的に大荒れとのニュースを見て、久しぶりに気象通報を聞きながら等圧線をひいてみることにした。

朽ちた天気図用紙を引っ張り出す。16時。NHKラジオ第2放送。

「でははじめに気象庁予報部発表の某月某日、正午の気象通報です。 
 石垣島では南南東の風。風力4・・・。」

抑揚のない淡々とした男の声で気象通報がスタートする。まともに天気図を書くのは何年ぶりだろう。とはいえ気象通報を聞くと無意識に手が動きすらすらと記号を書き込んでいく。



しかし順調だったのも対馬の厳原あたりまでだった。足摺岬の次は広島。だったはずが広島ではなく松山の地名が読み上げられ手が止まってしまう。その後も戸惑うことばかり。

どうやら国内及び国外の気象通報観測所が昔と比べかなり変化しているようだ。例えば千島列島北端に存在していた松輪島という通報地点がいつの間にか消滅している。「松輪島からは入電無しです」と読み上げられることが多々あった欠測常習犯のだったこの島、2013年現在気象通報からは完全に抹消されてしまったようだ。

当時、毎回入電無しといういい加減さに、さすがロシア人と思い続けていたが今回松輪島とは一体どんな島なのだろうかと改めて調べてみた。元々日本海軍の駐屯地があったこの島、戦後はソビエト領となり観測員は当然ロシア人。
航空写真で見る限りとても人が住めそうもない荒れ果てた小島。島自体は現在も活火山が噴火を続け噴火が起きれば逃げ場もない。2009年、上空を偶然通過していたISSから撮影された大噴火の写真はニュースで見た覚えもある。
このような危険と背中合わせな孤島で気象観測していたとは逆に頭が下がる思いだ。


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忽然と消えた松輪島に焦っているうちに、アナウンサーの声はウラジオストックまで進んでしまった。さらに今度は地吹雪というマニアックな気象が通報されてしまい記号が思い出せないという事態も。

四苦八苦しながら数値を落とし込み次はいよいよ気圧を現す等圧線をひいていく。
完成。
天気図の完成度はこの曲線のカーブをいかに美しく滑らかに描けるかに掛かっている。ところが腕が落ちたのかどうも曲線がぐたぐたな感じになってしまった・・・。



あらためて今回の爆弾低気圧を眺めるとその大きさに脅かされる。気圧こそ台風には及ばないモノのその直径は平均的な台風をはるかにしのぐ。
台風のサイズは大きくてもこのくらい。

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この台風に関しては九州ほどのサイズしかない。
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それに比べ今回の爆弾低気圧が形成する1000hpa等圧線は日本本土をほぼ覆っている。冬のベーリング海で猛発達する950hpa代のお化け低気圧になるとそのサイズは直径2000kmに達することも。
それにしてもこの天気図を書いたのはいつのものだろうと思い右隅を見れば1994年と書かれていた。

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夕方、強風と共に爆弾低気圧の雨雲は東へと流れ去り日が差し込み始めた。


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沖から届くうねりがみるみる盛り上がり耐えきられなくなると同時に巨大な水の塊が一気に崩れ落ちる。
崩れ落ちた波は海面に叩きつけらる前に強風によってしぶきとなり舞い散っていく。吹き付ける強風で体が翻弄され思うようにシャッターを押すことも困難だ。

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すさまじい波のパワーに圧倒された日となった。

[了]




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