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●2013年5月某日/GW富山県徘徊.02

  • 2013/06/19 22:44
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霧に覆われた残雪残る山岳地帯。
GW初日はそんな富山県南部の林道を縫うように走り続け
ようやく日本海へ達することができた。
海を眺めながらコンビニで買っておいた昼飯を食べながらようやく生き返る。


photo:Canon eos7d 15-85mm


富山県。ゴールデンウィークのこの時期、富山平野で行われるイベント、砺波チューリップ祭りには全国から押し寄せる観光客が至る所渋滞を作り出すという。とはいえ花やチューリップには特に興味もないので会場周辺を迂回し入善市までやってきた。



黒部から入善にかけては北アルプスから日本海へと流れ込む黒部川が作り出す広大な扇状地が広がっている。田園は日本海の海際ぎりぎりまで続き水田に海水が混ざらないもののだろうかといらぬ心配をしてしまうほど。そんな海沿いの平野に違和感ある黒い森が存在している。遠目にはまるで鎮守の森のようなこの場所、看板には杉沢の沢スギ群生地と書かれている。
野生の杉というのも珍しい。日本の山々を埋め尽くす杉林、そのほとんどが植林として人工的に植えられたもので今や野生の杉は見る影もない。江戸時代の頃から組織的に植林が行われたもので個人的にはよくもまあここまでびっしりと植えたものだと逆に感心してしまうほど。

杉沢の沢スギ群生地201305gw0001.jpg
杉沢の沢スギ群生地201305gw0002.jpg


小川が流れる薄暗い森の中はシダを中心とした植物が群生する苔むした空間となっていた。不思議な植物に目を引かれながら進んでいくと突然視界が広がり木漏れ日差し込む池が現れた。池の周囲には野生のスギの巨木が立ち並び、寿命を迎え倒れ込んだ倒木は苔むし朽ち果てていく。
この沢スギ群生地、特に期待もしていなかったものの、予想以上に幻想的。


杉沢の沢スギ群生地2014toyama13.jpg
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特筆すべきはその立地。なんと日本海までわずか100mほど。海水が根を枯らしてもおかしくはないこの場所になぜうっそうとした森が広がっているのだろう。黒部川扇状地からわき出る豊富な湧水によってこの森は保たれているのだろうか。


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杉沢の沢スギ群生地201305toyama0202.jpg


幻想的な沢スギ群生地の森から抜け出し富山湾を離れると山方面へとUターン、今回の目的地のひとつである入善町の発電所跡へ向かう。

現在建設中の仮称北陸新幹線の高架をくぐると広大な平野の真ん中に建つ煉瓦造りの大きな建物が見えてきた。
大正時代に建設された水力発電所、旧黒部川第二発電所の跡である。
とはいえこの建物、廃墟というわけではなく閉鎖後、改装され現在は「下山芸術の森 発電所美術館」と呼ばれる美術館として公開されているもの。この美術館は以前から一度訪れたかった場所のひとつ。

自分はといえばれなりに多くの美術館を巡ったこともある一応アート好きな人間ではある。しかし今回は正直展示作品には興味が無く発電所としての建物構造体の見学が目的。隙間から中を覗いてみると予想通り発電所の雰囲気が残されてた魅力的な大空間が広がっているのが見える。



しかしこの場所に限らず日本の美術館には海外と違い内部を自由に撮ることができないという悲しいルールが存在している。職員の方に伺うと建物部分だけならばと親切にも撮影許可をいただくことができ、展示作品が写り込まないように注意しながら発電設備のみを撮らせてもらうことができた。

下山芸術の森 発電所美術館内部1305gifutoyama08.jpg


3機設置されていたタービンもひとつだけを残し撤去された広大な空間はゴールデンウィークだというのに誰一人客はおらず静けさに包まれていた。白基調の室内には窓から差し込む自然光が回り込み意外な明るさをもたらしている。このような空間は確かに展示会場としてもふさわしい。

奥には唯一残されたタービン。高台から落下させた水がタービン内の水車を回転させ発電をするこの仕組み、水、風、原子力と動力は違えど基本的に昔から変わらない。
下山芸術の森 発電所美術館201305toyama0212.jpg
 


下山芸術の森 発電所美術館201305toyama0213.jpg

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さらに奥には当時の操作盤までもがリアルに残され稼働中の発電所を見るようだ。また10mはあろうかという天井を見上げると水平移動可能な巨大な天井クレーンが眼に入る。これで重量級のタービンを移動・設置を行っていたのだろか。

下山芸術の森 発電所美術館2014toyama12.jpg

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下山芸術の森 発電所美術館2014toyama11.jpg
下山芸術の森発電所美術館の内部2014toyama10.jpg


白壁が続く館内。そういえば笹間渡発電所の内観も白く塗装されていた。発電所内部は白壁が主流なのだろうか。

その白い壁にシミのようにぽっかりと空いた丸い空洞が二つ。ここにあったか。人が立ったまま入れるほどの巨大なこの穴こそがかつて水を流していた導水管の痕跡。猛烈な勢いで流れ落ちてくる水圧に耐えることができるよう赤くさび付いた鉄板には頑丈そうなリベットがぎっしりと打ち込まれていた。
管内部に入り込んでみるとまるで吸い込まれそうな真っ暗な空間。これも写真に収めたかったが内部が作品展示場になっていたため撮ることができず。



そんな光景にいちいち感動していたところ、こいつは発電所マニアに違いないと思われたのだろう。裏もオススメですよ、と先ほどの職員の方から声を掛けられた。そんなわけで一旦外に出て美術館裏に回ってみることにした。

煉瓦造りの発電所は崖に隣接、急斜面に沿って巨大な二つの水圧管路が横たえられていた
。傾斜を利用し水を落下させ発電する水力発電所と言えば通常、人里離れた山中の深い谷底にあったりするもの、ところがこの発電所は平野が広がる田園地帯の真ん中にポツンと存在する。ダムも見当たらないこんな場所でどうやって流れを起こしているのかと疑問だったのだがこれで謎が解けた。正面からは気が付かなかった意外な高低差が裏手にあったのだった。

伸びる日本の水圧管路を追うと美術館壁面へ吸い込まれるように消えていく。この管が先ほど室内で目にした壁の大穴へ繋がっている。管の横に敷設された古びた階段を上り段丘上部へ着くと遺構のような建物がいくつか点在していた。

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1305gifutoyama03.jpg

201305toyama0209.jpg


今回はいつもの車中泊と違い今回は珍しく宿をとっている。
魚津のビジネスホテル。これまたとてもリーズナブルできれいな宿でした・・・。大浴場で汗を流すと部屋から富山湾の夕日を眺める。いやあ贅沢。


[続く]
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