●2013年5月某日/GW富山県徘徊.03

  • 2013/06/18 22:40
  • Category:

201305toyamatop.jpg
GW富山県徘徊。
凍えそうだった初日とうってかわり今日は朝から汗ばむ程。
例年のGWに比べ極端に短い今回の旅も今日で終わり、
現在地富山県魚津から岐阜長野山間部を縫うように南下していく。


photo:Canon eos7d 15-85mm


富山県魚津市。宿泊していたビジネスホテルを発つ。しかしどこかで道を間違え再びホテル正面へと戻ってきてしまった。かつて特技のひとつだった地図の読解力、しかし近年そのその勘が鈍り始めたのが少々気に掛かる。それでも気を取り直し富山県から南下を開始。水が張られた水田と雪山のコントラストが良い感じ。


201305toyama0301.jpg
201305toyama0302.jpg
201305toyama0303.jpg


洞門が連続する41号線。新緑が逆光で眩しく輝く道だ。神通川に沿って時折魅力的なダムが現れる。
そんな気持ちの良い道を走り続けやがて県境を超えた頃。懐かしい風景が現れた。

201305toyama0304.jpg



岐阜県神岡町。
13年ぶりにやってきた。当時走っていた神岡鉄道が廃線となったりと13年間の変化は大きいが最も大きい変化はこの町名であろう。全国で繰り広げられた市町村合併の波はこの町にも押し寄せた結果神岡町という町名は消滅、現在は飛騨市となっていた。

そんな旧神岡町を訪れた目的と言えば当然神岡鉱山遺構群。
煙を吹き出し稼働中の精錬所を横目に市街地から幹線道路を外れ通い慣れた山中の細道へと入っていく。急な坂道を上っていくと視界が開け現れるのは巨大な堆積場。ここを過ぎれば間もなく神岡鉱山の廃村群が現れるはず。眩しく輝いていた新緑の木々も標高と共に消えていき周囲は春の雰囲気へ逆戻りした。

201305toyama0305.jpg

201305gw0004.jpg



やがて道幅が広がり集落が近いことを予感させる。そして南平と呼ばれる集落に到着、のはずが唖然としてしまった。
かつてこの場所を埋めていた社宅、銭湯、アパート、そのすべてが解体され何一つとして残されていない。13年前、2000年5月の写真を引っ張り出してきた。当然ポジフィルム、KODAK DINA ISO400だ。粒子の粗さが懐かしい。


hai-04.jpg

201305toyama0308.jpg


下は13年後の2013年、ほぼ同じ角度から撮った写真。火の見櫓が目印。同じ5月でも13年前訪れたのは下旬だったため木々の緑に違いがあるものの同地点であることに間違いはない。南平地区を埋めていた廃屋は今や奥に並ぶ数軒の長屋のみ。唯一残されていた長屋も雪のせいか倒壊寸前。

下の写真は当時残っていた銭湯跡。もちろん現在は消滅していた。

2001kamioka2.jpg



高台から南平地区を見下ろしてみると赤い屋根の寺以外ほぼ更地となっていることがわかる。
広がる空き地はかつて廃屋が埋めていた場所。

201305gw0007.jpg


放心状態で集落跡を徘徊していると同じようにカメラを抱えた男がやってきた。
話しかけてみると近隣に住む方。尋ねてみると南平地区宅群は随分前に取り壊されたとのこと。例の銭湯跡の事を話すと逆によくそんな昔のことを知っているねと笑われてしまう。30年近く神岡鉱山現役から撮り続けているという。



まあ仕方がない。それでも神岡にはまだ見どころは残っている。
それは山上に広がるさらに広大なゴーストタウン、栃洞鉱区。カーブが連続する急坂を登り続け、栃洞鉱区入り口が近づき始めた。この先、何度も通ったアパート群や団結小屋、廃校、さらには坑道が残されているはず。
やがて見慣れた峠に到着したもののどこか違和感が。その原因は道路を塞いでいる真新しいゲート。

201305gw0005.jpg
201305gw0006.jpg

車から降り近付いてみると立ち入り禁止を示す看板。以前はゲートなど存在せず車でゴーストタウンを走ることができたのだが。そんなわけでこの先に広がる栃洞地区探索は断念、本日は消化不良の物件だらけ。



失意のまま山を下る。到着時は朝10時前ということもあって採石場のダンプ以外は人の気配のない道だった。そもそもこの山道、日中でも車が通ること自体稀だろう。

ところが神岡市街への下り道、山道を登ってくる車と続々とすれ違うこととなる。狭いので互いにギリギリまで寄せて離合を繰り返す。そのすべてが関東から関西までの他府県ナンバー。もちろん自分もそのうちの一台。さすがGW。どこも人出が多いもの。しかしふと考える。この一本道、この先の見所といったら先ほどのゴーストタウンくらいしか思い浮かばない。まさか今すれ違う車達は皆廃墟を目指しているのだろうか・・・。なんだかいろいろと驚かされた13年ぶりの神岡鉱山であった。



岐阜県北部の里山を走り抜ける。水が張られた田んぼ、新緑、こいのぼり、田舎の里山はこの季節が一番美しい。
現在地の奥飛騨は高山や古川に代表される伝統的な街並みが有名。しかし半ば強制的に景観が維持・管理される観光向け保存区域よりも、家屋や田んぼが自然発生的に創り出す里山の景観が好きだ。


201305toyama0310.jpg
201305toyama0311.jpg201305gw0008.jpg


これだけ家屋があれば一軒ぐらいは今流行の南欧風にしてみようと考える一家があってもおかしくはない、と思うが家々の外観・色調は見事統一され調和のある風景を作り出している。


伝統的な街並みや農村に、流行を追った外観の民家が建つことが日本の無秩序な景観の一因ともなっている。
某所にあった田んぼと集落の組み合わせが絶妙の里山風景、ところが最近メルヘンチックなオレンジ色の南欧風民家が建ったことで景観が台無しになってしまった。
まあ保存区域外でどのようなデザインの家を建てようが個人の自由と言えばそれまでだが、それでも奥飛騨周辺は自由の中で民家の外観・色調に一定の秩序が見られ、景観とのバランスが保たれていることに驚きと好感を覚えた。



時折国道沿いにちらほら廃校らしき木造建築が現れるが閉校して間もないものが多いようでこぎれいな外観に魅力を感じず通り過ぎる。

201305toyama0312.jpg
201305toyama0313.jpg

ダム湖を越えると道は標高をあげていく。高度が変わる度、季節はめまぐるしく変化、峠を越え山を下ると周囲の光景は冬から再び新緑に包まれる。

冠雪した御嶽山の広大な山麓を徘徊したりしているうちに日も傾きはじめた。
近年最も短いGWはまもなく終わりをつげる。来年こそは例年通り遠出をしたいもの。


[了]
スポンサーサイト

Pagination

Trackback

Trackback URL

http://lost2011.blog.fc2.com/tb.php/364-e3f6456b

Utility

プロフィール

hou2san

Author:hou2san
●なにかあればコチラまで。↓
場所を教えろよなんてことでもいいです。
rh5t-nkym@live.jp

最新記事

最新コメント