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●2014年4月某日/四国廃校巡り〜室戸岬の廃校〜

  • 2014/05/09 22:28
  • Category: 廃校
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船の欠航により渡航中止、仕方が無く四国の山中で廃校探し。
寒さに凍えながら発見した倒壊寸前の廃校を後にし室戸岬付近まで一気に南下すると
今度は一転初夏を思わせる暑さの中、渓流沿いの細道を遡っていく。
次第に荒れてくる道に不安な気持ちが膨らみ始めた頃、その廃校は唐突に現れた。


[前回の記事]

photo:Canon eos7d 15-85mm



カーブを曲がったとたん正面に現れたその姿、あまりも唐突で驚いてしまった。

芽吹き始めた銀杏の大木を前に建つのは古びた木造二階建て校舎だ。さらに横には講堂らしき建物を有する、山中にしては割と大きい規模。

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先ほどまでの凍えそうな寒さが一転、新緑が輝やく校舎周辺、一方迫る山に目を向けると春の装いがまだ残っている。初夏と春が入り交じるなんだか不思議な雰囲気だ。

室戸半島先端の山中に位置する現在地、廃校周辺には10棟ほどの民家が点在しているものの人の気配というものがほとんど感じられない。一方校舎と川の間には荒れた広い平地が広がっていた。この規模の校舎からしてかつては周囲に広がる空き地などにも民家が多数存在していたのではないだろうか。



2階建ての木造校舎一階には教室が三つ。3時間前の廃校とはうって変わり室内に差し込む日差しが窓辺の植物を反射、緑がかった室内はどこかさわやかな光景だ。

閉鎖後しばらくは農作業具置き場にされてきたきたのか朽ちた農機具や肥料の袋などが散乱していた。しかし奥の教室では壁面は崩れ無惨な状態。閉鎖からすでに36年あまり。
講堂らしき建物は校舎以上に老朽化が進み内部の床面は完全に崩れ落ちていた。校舎もあとどのくらい建ち続けることができるだろうか。


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校舎は二階建て。しかし当然存在するはずの階段というものがどうしても見当たらない。
崩れて落ちた天井によって埋もれてしまった廊下にもそれらしき場所はなく校舎から出ると裏手に回ってみる。すると意外な場所に二階へのアクセス路が存在した。裏山の斜面を使い二階へ続く「橋」のような渡り廊下が架けられていたのだ。とはいえあまりにも老朽化したこの渡り廊下、薄い床板は湾曲し梁の部分も崩れ落ちそうだ。
進むか戻るか。橋を前にしばし悩むが万一板を踏み抜いてしまうことを考え結局進むことを諦めた。


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帰宅後、校名で検索をかけてみると校舎正面に建つ銀杏の大木を撮りに来る方が多いようで意外に多くの写真を見つけることができた。それらの写真を見る限り初夏から秋にかけては生い茂った大木の葉によって肝心の廃校の姿が覆い隠されてしまっている。廃校が目的なので芽吹き始めたばかりのこの季節で当たりだったのかもしれない。

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太平洋に鋭角に突き出た岬先端が近付き室戸半島の長かった孤もようやく終わりを告げようとしている。
室戸岬灯台は河岸段丘が形成する斜面に張り付くように作られたつづら折りの道を上りきった高台にある。

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高知県室戸岬の廃校1404shikoku0132.jpg


車を停め頭上に覆い被さる大木の中をてくてく歩いて行くと高台から太平洋を見下ろす白い室戸岬灯台が近付いてきた。

「室戸(むろと)」という響きにはどこか心惹かれるものがある。そう、数多くの歴史に残る台風を迎え撃ったここ室戸岬は気象マニアにとっての聖地でもあるのだ。


長年暴風雨を耐え抜いてきた灯台へと感慨深げに近付いていくと見慣れぬものに気がついた。場にそぐわぬハート型の看板だ。看板には「恋人の聖地」と書かれている。日本中どこでも現れるオーソドックスな観光手法であり、その辺の岬が「恋人の聖地」を名乗る分には何とも思わないが室戸岬だけは譲れない。


室戸台風に敢然と立ち向かい中心気圧911.9mbという驚異的な世界最低気圧※を観測した室戸岬こそ
「916mbの枕崎台風を迎え撃った鹿児島県枕崎測候所」、
「被爆しながらも原爆を気象学の目で冷静に観測し続けた広島江波山気象台」
「玉砕したはずの孤島で生き残った職員が観測を続け半年ぶりの無電が中央気象台を涙させたラサ島気象台」
と並ぶ気象の聖地なのだ。

※陸上観測値※当時※正確には上陸地点は多少ずれていたるため気圧はさらに低かった可能性がある。


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時計を見ると時刻は正午ちょうど。室戸岬測候所では、この瞬間もカチコチと風向気圧などを無人観測中だろう。その記録は自動的に中央に送られると、このあとラジオNHK第2放送で始まる16時の気象通報にて正午観測値として「室戸岬では北北西の風、風力5、晴れ、1012hpa、19度」と淡々とアナウンスされる。



現在、アメダスの普及と予算削減によって測候所の無人化が急速に進んでいる。かつて人間の目で細やかに観測してきた気象も数字データのみで十分と判断されたのか、80年以上の歴史を持つここ室戸岬測候所も例外ではなく数年前に無人化されてしまった。しかしこのような台風銀座だからこそ人の目の観測が重要なのでは思ってしまうのだが。


まあどちらにしろここ室戸には恋人の聖地に加え気象の聖地という看板も併設するべきだと勝手に憤慨しながら岬を後にした。翌日向かうは瀬戸内海に浮かぶとある島。

[続く]

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