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●2011年12月某日/大阪再開発を歩く〜阿倍野編〜

  • 2012/03/14 23:39
  • Category: 大阪
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大阪市阿倍野地区はかつてよく訪れた街のひとつ。
ドヤ街、低層住宅、雑居ビルが混在するマニアックな街、阿倍野近辺が
ここ数年大きく変貌を遂げつつあると聞き久しぶりに訪れた。
懐かしい町並みを歩き、かつては足を踏み入れるのもはばかられるようだった地区の
格段に改善された治安に驚かされた。


※本記事は訪問時のものです。現在の状況は異なっている可能性もあります。

地下鉄から地上に出た。目に飛び込んでくるのは労働福祉センター。そしてその奥に広がる「あいりん地区」。普段は仕事を求める大勢の人で混雑する福祉センターも年末ということもあってか閑散としている。かつては無謀にも労働者の街、あいりん地区をカメラ片手に徘徊していたもの。地べたに怪しい物を並べる露天商を冷やかしながら懐かしい町並みを南へと歩くが、地区には安宿を求める外国人バックパッカーが溢れ以前のような危険さはまったく感じない街へと変化していた。



この旧市街、いわゆるドヤ街と新市街を明確に分断しているのが上町断層が作り出す高低差のある崖。嘆きの壁とも言われるこの崖を登り切ると街の印象は大きく変化する。かつて雑居ビルや民家が密集していた地区はここ10年足らずで高層マンションやショッピングセンターへと立て替えられ、周囲で遊ぶ子供達も見受けられる健全な雰囲気となった。

その向こうに現れる建設中の巨大建造物、あべのハルカス、高さ300m。ドバイ、上海等を始め世界の超高層建築はすでに400m級が常識になっているとはいえ完成後は日本一の高さとなる。この時点で高さ170mほど。まだ半分を越えたほどだが、すでに圧倒的な存在感。これはもう自分の知っている阿倍野ではない。

建設中のあべのハルカス0000ooakaabeno04.jpg
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古びた近鉄百貨店を中心に飲み屋がひしめく雑多な町だったのはずの阿倍野は、今大きく変貌を遂げつつある。

下の写真は昨年2010年のあべのハルカス建設現場。当時地盤改良の最中だった現場がわずか一年でここまで変わる。それにしても敷地は非常に狭い。周囲も含めた都市計画を行った上で、広大な敷地に建設された現在日本一、高さ298mの横浜ランドマークタワーとは対照的に、300mもの高層建築を建てるとは思えないわずかな土地。

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さらに遡ること一年前、2009年の近鉄阿倍野駅。今や跡形もない古びた近鉄百貨店。



2011年現在、再開発によって大きく変貌する阿倍野。しかしそれでも一歩離れれば怪しい町並みが未だ残されている。動物園前へと引き返し経営破綻したフェスティバルゲートを外から観察。破綻後長い間建物自体は残されていたがようやく解体工事が始まったのか建物全体には覆いが掛けられ内部の様子を伺い知ることはできなくなった。

このフェスティバルゲート、開業後数年ほどたった時期に物珍しさから入場したことがある。無人のジェットコースター、空きテナント。すでに建物の廃墟化は始まっていた。当時関西の情報誌に「営業中なのに廃墟の雰囲気を味わえるテーマパーク」といった失礼?な紹介が掲載されていたのを記憶しているよう、開業当初から経営難がささやかれてた存在だった。

経営破綻したフェスティバルゲート0000osakaabeno12.jpg
経営破綻したフェスティバルゲート0000ooakaabeno01.jpg

三年前の写真と比べてみる。建物の解体作業は早く、次回訪れる際にはフェスティバルゲートは完全に更地になっていることだろう。



さらに通天閣周辺でも驚かされた。かつて近寄りがたい雰囲気を醸し出していた通天閣周辺。当時は観光客の姿もほとんどなくスマートボールで遊びワンカップの瓶に入った水が出てくるバラックのような串カツ屋に通ったもの。

ところが通天閣周辺、特に新世界と呼ばれる地区は、カラフルで派手な串カツ屋の巨大看板が立ち並び、いかにもステレオタイプな大阪を絵にしたようなテーマパークと化していた。
張りぼて感、ペンキ塗り立て感溢れる白々しい光景。しかし初めて大阪を訪れる観光客はこれを見て、テレビで見たイメージ通りの大阪だと安心し記念写真を撮ることだろう。大阪の下品な看板、怪しく汚い街並みは自然発生的に作られるから面白いのであって、このように人工的に作り出される大阪風街並みにはどうもしらけてしまう。



とはいえ周辺は串カツ屋の客引きや観光客で溢れ、かつてのさびれた通天閣や新世界が見る影もないほどの大盛況。先ほどのフェスティバルゲートと比べさびれた通天閣に勢いをもたらした民間の活力、経営力を逆に思い知る。
あべのハルカスのような街を変える巨大建造物の魅力、同時に古い街並みは残って欲しいと願う2つの心境の矛盾感を抱え街を後にした。

[了]




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