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●2014年12月某日/紀伊半島廃校縦断〜冬編〜01

  • 2015/02/13 22:28
  • Category: 廃校
1412kiitop.jpg
三重、奈良、和歌山の三つの県を包み込む秘境「紀伊半島」。
延々と続く山塊、複雑な海岸線、何よりその巨大さゆえ探索にはそれなりの覚悟が必要だったこの半島、
近年続々と開通しつつある高速道路によってそのアクセスが格段に改善されつつある。
それによって紀伊半島探索の機会も急増、今年三度目となり同時に今年最後の紀伊半島廃校縦断へ出発した。
昨年年末の冬横断は思わぬ大雪に見舞われた行程となったが今年は暖かい日が続き積雪の心配はなさそうだ。
その代わりレーダーを見れば午後から降雨となりそうな気配。
早めに回ってしまいたいものだ。


photo:Canon eos7d 15-85mm

[過去の記録]
2013年末横断記[LINK]
2014年始横断記[LINK]
2014初夏横断記[LINK]
2014盛夏横断記[LINK]



過去、数え切れないほど通った紀伊半島。その後10年近く足が遠ざかっていたものの近年紀勢道をはじめ次々に高速道路が開通したことで、ここ二年ほど再び訪れるようになった。
とはいえまだまだまだ奥深い紀伊半島、一気にその全てを回るというわけにも行かず何度かに分け数年がかりでマニアックな場所を探索していく3年計画を立てた。今年がその二年目にあたる。ここ数回の重点地域は東海岸及び中心部だったので今回は西側に位置する和歌山県側を探索することにした。
といってもあまりに広大な紀伊半島、予定している箇所の半分程度回ることができれば良い方か。




漆黒の東名阪、伊勢道、紀勢自動車道を南下していくうち冬の夜空は次第に白み山々の稜線がぼんやりと浮かび上がり始めた。現在地は山が連なる大台町のあたりだろうか。一方白み始めた空とは対称的に高台を走る高架から見下ろすと眼下の谷間に点在する未明の山里は闇の中に沈み寝静まっている。集落を照らすものはわずかな街灯の灯りだけ。か細い灯りに浮かび上がるのは民家、電柱、そして地面をうっすらと覆う白い雪。そんな静けさに包まれた未明の集落は猛スピードでヘッドライトが移動する高速道路上とは別世界のよう。

来る度に南へと延びる紀勢道、昨年冬は紀伊長島あたりで途切れていたが今回三重県南部の「尾鷲北インター」が開通したことで、さらに20kmほど南へと延長されていた。同時に時間も短縮される。


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尾鷲で途切れた高速道路を降りると海際を走り続け熊野灘あたりで冷え切った夜がようやく明けた。堤防脇に車を停めドアを開けると冷気がどっと流れ込んでくる。海を見るといつもの癖でつい波を探してしまうがこのあたりは当然べた凪状態。ついでに趣味でもない日の出でも撮ってしまった。


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深夜、サービスエリアで買っておいたパンをかじりながら海に沿った国道42号を延々と走り続ける。車を唯一停めたのは先ほど日の出を眺めた熊野の海岸のみ。どこにも立ち寄ることなく本州最南端、串本の町を通過し紀伊半島の西側に入った。ようやくのことで探索ポイント周辺へ到着。


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一つ目の廃校。
この廃校となった小学校跡は和歌山県南端、海沿いの国道から少し内陸に入り狭い山道を上りきった高台に建つ。木造校舎の裏より見下ろせば美しく整えられた見事な棚田が広がっている。

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この廃校へのアクセスは熊野古道、大辺路と呼ばれる古来の巡礼路を通過することになる。名所旧跡のような場所にはあまり興味が湧かないものの棚田や車幅ぎりぎりの薄暗い杉並木の間を抜けるこの小道の雰囲気は少し魅力を感じた。

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さて肝心の廃校だが、出発前詳細を知ろうと国土地理院空撮などで場所を探し回った際、上空から眺めたイメージに比べずいぶんと小さく感じた。この何十年かの間に一部校舎が取り壊されてしまったのだろうか、三棟あるいずれの校舎も学校と言うよりもむしろ大きめの古民家のよう。

破れた窓から校舎内をのぞき込むと抜け落ちた屋根のせいで室内は完全に崩壊している。一方南側の校舎も同じくのぞき込んでみるとこちらは資材置き場として使用され、往時を偲ばせるような痕跡は残念ながらほとんど残されてはいなかった。校庭の奥に建つ古びた石碑に刻まれた文字には開校は明治25年、閉校昭和48年とあった。

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この廃校に辿り着いた際、真っ先に自分の目を引いたのは学校の木造校舎、ではなく校庭に建つ真新しいプレハブだった。工事事務所のようにも見えるがまさか廃校解体工事でも行われるのだろうか、と近付くと壁面には近畿自動車道紀勢線改良工事と書かれていた。なるほど、紀伊半島一周する紀勢道はこのあたりを通過するのか。
本日は年末と言うことで工事も休みなのか関係者の姿は見当たらないもののやはり工事事務所のようだ。よく見れば裏手には測量用らしき器具がちらばっている。



紀伊半島一周紀勢道の予想ルート1412kiiwaymap.jpg


「陸の孤島」とも呼ばれた広大な紀伊半島沿岸部を一周する近畿自動車道紀勢線はかつて膨大な年月をかけ繋がれた国鉄紀勢本線のように、和歌山側の阪和道・三重側の紀勢道の両サイドから南下、現在も最南端串本町へとじわじわと近付いている。また熊野尾鷲道、那智勝浦道路も先行開業し無料開放中。

紀伊半島を訪れる度に伸び続けるこの高速道路、やがて阪和道、紀勢道の二つが手を結びこの輪が閉じられる日も間もないだろう。内陸部はともかく紀伊半島沿岸部が秘境から脱却するする日も近い。


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廃校ついでに棚田を見学しようと歩いて行くとイノシシでも出没するのか至る所に張り巡らされた獣よけの電気柵に行く手を遮られた。この電気柵、本当に電流が流れているのか以前から気になっていたので試しに掴むという馬鹿なことをやってみたがショックは感じられず。作動するのは夜間のみなのだろうか。





薄暗い熊野古道を抜けだし国道に復帰すると再び開放感溢れる広大な太平洋沿が広がった。どのルートから内陸を目指そうかと悩みながら海岸線にそって42号線を走り続けた結果、日置川ルートに決め現れた河口で右折。尾鷲、熊野から新宮、串本、すさみと延々と平行してきた太平洋ともこれでお別れ。ここからは山の旅が始まる。

県道37号は蛇行する日置川に沿って曲がりくねった狭路が続く紀伊半島らしい道。当然交通量もほとんどない。そんな県道を北上していくと分岐点が現れた。突き当たりの青看板によれば県道は左方向へと進むが目的地は逆方向。右折すれば目的地の廃校へとつながる林道へいきつくはず。

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途中現れた古びた集落をぬけると県道は林道へと変わった。

将軍川林道という妙に強そうな名前が付けられた道。その行程のほとんどは杉並木に覆われ眺望はまったく効かないもののそれでもたまに現れる伐採箇所では視界が開け紀伊山地の広大な山々を目にすることができる。
地図を見れば目的地は遙か山の向こう、まだまだ先は長そうだと思いながら曲がりくねった狭路を運転していていくと前触れもなく道が変化、深い山中の林道とは思えぬ無駄に完備された高規格バイパス路とトンネルによって予想の半分以下のスピードで現地近くまでやってくることができた。



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現在地は薄暗い森の中。目的地の廃校はこの周辺にあるに違いないと目を皿のようにし徐行していると道路脇に小さな看板が現れた。見ればご丁寧にも廃校名が書かれた案内看板だった。これはありがたい。ここまで親切な廃校はめったにない。



杉並木に覆われた林道から廃校を直接目にすることはできない。
車を停め案内看板に沿って森の中を歩いて行くとまず現れた建物は廃校、ではなくいくつかの朽ち果てた建物群。かつての民家か教員住宅なのだろうか。ふかふかの枯れ葉でうまった道、木の幹の間にたつ廃屋、紀伊半島でよく見かける廃村のような雰囲気だ。

これらの民家跡も気になるところだが今回の目的は廃校。さらに観察したい気持ちを振り払い枯れ葉を踏みしめながら進んでいくと学校らしき建物が見え始めた。廃屋、そして廃校とまるで演出されたかのようなアプローチ。


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到着。
和歌山いや紀伊半島をも代表するあまりに有名な廃校。
昔からネットや文献などでその存在を知ってはいたものの、今回ようやく訪れることができた。この廃校、そのアクセスの困難さと裏腹に訪れる人は後を絶たない。まるで分校のようにこぢんまりとした校舎だがその魅力はいったいどこにあるのだろうか。


[続く]


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