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●1998年春/イラン徘徊 Part.2〜シラーズ/バンダルアッバス編〜

  • 2012/04/04 20:10
  • Category: 海外
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テヘランから南下した自分は居心地の良いイスファハーンの安宿にずるずると逗留し続けたものの、
このままでは本当に沈没してしまう。
意を決して重い腰を上げ、違う町を目指すことを決意、知り合った人々と別れバスターミナルへ向かい
イラン南部のシラーズ行き夜行バスにそのまま飛び乗った。

ミノルタX-700 28mm/50mm/135mm

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シラーズ。
知名度はそれなりに高い歴史ある街。しかし宿泊した安宿の印象が悪かったせいか、それともどんよりとした天候が続いたせいか、あまり写真も残っていない。
さらにシラーズ校外にあるかの有名な巨大遺跡ペルセポリスにも高い入場料を払い訪れてみたものの、あまりにもこぎれいに整備されすぎた遺跡に幻滅しただけに終わった。
しかしこの数週間後に訪れることになる無名のバム遺跡には完全に圧倒されてしまうことになるのだが。

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写真はシラーズで数日間泊まっていた安宿。天井まで飛び散った血痕が残るなんだか恐ろしい部屋だった。
とはいえシラーズでも親切なイラン人夫婦にお世話になったし、城壁の裏手のモチアイス屋は絶品などそれなりにうれしいこともあった。しかしペルセポリスで意気消沈した自分はシラーズにはもう用はなく、深夜訪れた雨のバスターミナルで思わずバンダルアッバス行き夜行バスの乗車券を買ってしまった。

地図を見るとバンダルアッバスはホルムズ海峡の町。開放的な海を見れば沈んだ気持ちも晴れるのだろうか。



バンダルアッバス。
バスターミナルが郊外にあり到着時間が悪かったのかタクシーも見当たらずリュックを背負って市街地を目指す。暑い。いや、暑いのはまだ我慢できるが、恐ろしく蒸し暑い。乾燥していたイラン高原の気温とはまったく違う。この高湿気がペルシャ湾岸の気候なのか。
夜行バスでの寝不足もあってか体もリュックも重く汗がにじみ出る。猛吹雪だった極寒のテヘランが懐かしい。国道沿いを歩き続けなんとか蜃気楼のような町が見えてきたのは数十分後のことだった。

バンダルアッバス市街地でようやくホテルらしき建物を見つけるも、横柄なフロントの黒人を前に値切る気力も他を探す体力もなく思わず冷房付きの部屋をとってしまった。

冷え切った冷房に包まれ、そのままベッドに倒れ込むと目が覚めたのは日が傾いた時刻だった。



少し街を徘徊しあまりの物価の高さに驚かされた。また安宿というのも見た限りほとんど存在しない。これはあまり長居できないかもしれない、と考えながら町を歩き市場を抜けると明るく輝く海が広がっていた。

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これがホルムズ海峡か。思った以上に深い青。この奥に紛争の発火点ペルシャ湾が続く。
1998年現在、フセイン政権をにらみアメリカ空母機動部隊も展開しているとイランのテレビで見たばかり。
今でこそ(1998年)イラクを敵視しているアメリカだが、アメリカがイランと激しく敵対していた80年代は、イランと戦争をしていたイラクにはアメリカは非常に友好的であった。
さらにさかのぼった70年代は、信じられないことにアメリカとイランは蜜月関係だった。その後、ホメイニ師のイラン革命が起こりアメリカ・イラン関係は完全に崩壊、激しく対立している。はずがアメリカは、さらに宿敵のイスラエルを経由し、武器をこっそりイランへ売却したりと、中東情勢はいつの時代もアメリカの「大人の都合」に翻弄される世界である。

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対岸の島に渡りたくて渡船をさがしていると、たむろしていたイラン人達となぜか岸壁で釣りをすることになった。
その後も岸壁でホルムズ海峡を眺めながらだらだらしていると、次々にイラン人から話しかけられ順に写真を撮っていくことになる。
中にはこの国では珍しい黒人もいる。そういえば例のホテルのフロントも黒人である。彼の友人いわく(彼は典型的なペルシャ人の顔)黒人達は対岸のオマーンあたりから渡ってきた言う。黒人を写真に撮るのは人生で初めてでどうも露出が難しく結局撮れていなかった。そういえば島に渡るのをすっかり忘れていた。

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さらにこのバンダルアッバスには鉄仮面の女性がいる。イランで女性が唯一露出できる場所は顔と手だけだが、彼女達は顔すら仮面で覆っているのだ。鉄仮面の女性、時折市場で見かけたのだが、まだ写真を撮る度胸もなかった年頃だった。

ともあれ開放的な海を望むなこの港町と、宿のよく効く冷房によってすさんだ心と体が回復しつつあるようだ。

【続く】


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