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●2014年9月某日/青いダム湖、伊奈川ダム

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普段から朽ち果てた場所ばかりを回っているわけでもなく時折美しい光景も見たくなる。
その中でも特に海水、淡水問わず透明度の高い水が好きだ。
長野県にある伊奈川ダム、そのダム湖の透明度が非常に高いと知り
廃校訪問のついでに立ち寄ってみることにした。
とは言え悪路の奥にあった廃校、廃村探しに手間取り時刻は昼過ぎ。
これまた山奥にあるダムに日が高いうちに辿り着くことができるのだろうか。
そしてダム湖はどのような色を魅せてくれるのだろう。


photo:Canon eos7d 15-85mm

美しい海は必ずしも海外や南の島だけとは限らない。近年「発見」された北海道美瑛の青い池を始め沖縄以外の本土でもまれではあるが目を見張るような美しい海に出会うことがある。
ここ5年ほどの間に出会った不思議な水面の色を適当に。 

国内の透明度の高い青い海川1502japanseariver.jpg

01.02/嘉比島(沖縄県)・03.04/座間味島(沖縄県)・
05.06/柏島(高知県)・07/石垣島(沖縄県)・08/竹富島(沖縄県)・
09/伊豆白浜海岸(静岡県)・10/日高川(和歌山県).11/椿山ダム(和歌山県)・12/丹後半島(京都府)
13/新鹿海岸(三重県)・14/角島大橋(山口県)・15/福江島(長崎県)・15/福江島高浜海岸(長崎県)
17/銚子川(三重県)・18/小原ダム(富山県)・19/ 小森ダム(三重県)・20/二木島(三重県)
21/気多川(静岡県)・22/阿寺渓谷(長野県)・23/福江島(長崎県)・24/美瑛青い池(北海道)


沖縄は一部、残りは本土の海川湖。とはいえ水の色は季節や日照によって大きく左右される。昨年、鮮やかな湖面を航空写真で見つけ訪れた某砂防ダムは時期が悪かったのか期待外れに終わった。また青さと水の透明度は必ずしも比例しない。例えば有名な北海道の青い池。確かに青さはあるものの透明度はほぼゼロ。逆に透明度が高すぎると水底の石の色がうつり込んでしまうなど青い水探しは運にも左右される。



2014年9月某日正午前。

現在地は長野県西部の山中、一般的な美しさとは反比例する崩れ落ちた廃屋が点在する廃村だ。森の中で木漏れ日を浴びる廃屋や廃校を堪能、時計を見ればまもなくお昼。そろそろ出発しよう。
この日この時間、20キロほど離れた場所にそびえる御嶽山が噴火した。


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悪路に苦労しながらようやくのことで林道から抜け出るとさらに山中の県道を走り続け国道へ復帰。道沿いの小さな集落では防災無線が鳴り響く。途切れ途切れに聞こえてくるアナウンスからは噴火のキーワード。噴火?いったいどこの山のことだろう。





中央アルプスと御嶽山に挟まれた木曽谷を南下し続けようやく本来の目的地、中央アルプスから流れ出る伊那川をせき止めた伊奈川ダムを有する大桑村が近付いてきた。以前キャンプを行った同村にある阿寺渓谷は圧倒的な透明度。地形や地質が似ている近隣にも同じように透明度の高い渓流はあるはずとネット上で見つけた場所。確かに国土地理院の空撮写真で伊奈川ダム湖を見ると湖底が透けているほどの透明度。なかなか期待できそうな雰囲気だ。

西へと進めばいつもの阿寺渓谷。今回はここから東側、中央アルプス方面へと車を進める。ようやく目的地へ近付いたと安心はしたものの、時刻はすでに午後2時過ぎ。次第に西日の気配が漂いはじめてる。太陽光が斜光になるにつれ水の透明度や彩度は当然落ちていく。

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日が傾く前に現地へ到着しなくてはと気はせくものの、こんな時に限って次々に現れる災害通行止めに強いられる度重なる迂回。さらに悪天候が続いたせいか道路に倒れ込む倒木が多く、その都度車を停め、排除しながら進むので一向に進まない。つづら折り、断崖、大量の機材や資材をよくダム建設現場へと搬入できたものだと感心しながらU字急カーブ&急坂という珍しいトンネルを抜けるとついにダム堰堤が見え伊奈川ダムへと到着した。

木曽川流域に水力発電所を作り切ってしまった関電が傾斜のある伊那川に目をつけ1977年竣工した重力式コンクリートダム。黒ずみ古びた堰堤が印象的。



肝心の時刻は午後三時。周囲はすでに西日の雰囲気。もう少し早く到着したかったが仕方がない。さて肝心のダム湖はどんなものだろうかと堰堤の向こうをのぞき込むと確かに不思議な色の水面が広がっている。なかなか良いではないか。

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ダム天端は封鎖されていたため、ダム湖に平行する林道を奥へと進んでいく。進むにつれ眼下に見えるダム湖の透明度はさらに増していく。木々の隙間に見えかくれする美しい水に早く近付きたいと思い続け車を走らせるものの道路とダム湖は崖で隔てられ湖面まで降りられそうな場所はなかなか見つからない。


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そんな林道を湖畔に沿ってしばらく走って行くとついに水面へ近づけそうなポイントを見つけ車ごと乗り入れた。小さな空き地のようになっている明るい場所だ。

伊奈川ダム1502inagawadam.jpg
伊奈川ダムinagawadam2.jpg


目の前に広がるエメラルドグリーンの湖面。流れ込んだばかりの透明度の高い伊那川の渓流がここで滞留、白砂の川床とともに幻想的な世界を作り出している。
車から降りると水辺へと続く斜面をすべり降り水に手を触れてみる。予想通りおそろしく冷たく澄んだ水。腕だけを浸けると防水カメラで水中の様子を撮ったりしてしばし遊ぶ。

9月といえど山では秋間近。周囲にはすでに色づき始めた葉もちらほら。紅葉の季節にはダム湖の周囲はカラフルな木々が湖面に映り込み鮮やかな光景を作り出すことだろう。

長野県伊奈川ダム1409naganoinagawa.jpg
長野県伊奈川ダム1409nagano16.jpg
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この不思議な色を作り出しているのは清流、そして湖底の白砂だ。南アルプスを形成する花崗岩なのだろうか足下にも白い岩や白い砂が広がっている。
最近は仁淀ブルー、阿寺ブルーに代表されるよう透明度が高く色の着いた河川を00ブルーと名付けることが流行しているようなのでこの川、勝手に伊奈川ブルーと名付けよう。まあ正確にはいわゆるブルーではなくエメラルドグリーンだが。





残念なのは到着を待っていたかのようにダム湖に風が吹き込みはじめたことだ。エメラルドグリーンの水面は風が作り出す細かいさざ波が揺れ続け定まることがない。水鏡のような凪状態となってくたらとしばらく粘るも残念ながら一旦吹き始めた風はその後も収まることはなかった。

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仕方なく再び林道へ戻りダム湖を上流へと遡る。滔々と水をたたえていたダム湖は次第に流れを持つ渓流へ変化し周囲は深い森に包まれた。ここからさらに1kmほど進めば中央アルプス空木岳へのアプローチとなる登山口に行き着くようだ。次第に林道と渓流の距離は広がりか細い伊那川は眼下となった。この辺で戻ることにしよう。



遅い午後ではなく直上に太陽がある時間帯ならば、伊奈川ダムは果たしてどのような色を見せてくれたのだろうか。本来の透明度を観察できなかったのが心残り。というわけでこの湖、時期を変えて再び訪れてみたいと思う。

[了]
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