●2015年2月某日/駅前再開発およびリニア予定地観察/名古屋編
- 2015/03/25 21:58
- Category: 自由研究

冬空にそびえる高さ245mのツインタワー「名古屋駅JRセントラルタワーズ」。
1999年にこのビルが開業するまでは高層ビルがほとんど見当たらず
東京大阪に次ぐ三大都市と呼ぶには正直貧弱だった名古屋駅前では
現在JPタワーを皮切りに猛烈なスピードで再開発が進んでいる。
またルートが決定したリニア中央新幹線の終点駅ともなる名古屋市。
その予定地はどうなっているのだろうかと昨年の長野県大鹿村に次いで訪れた。
photo:Canon eos7d 15-85mm
[リニア建設予定地:長野県大鹿村編はこちら]
[リニア建設予定地:岐阜県中津川編はこちら]
[リニア建設予定地:岐阜県中津川編2回目はこちら]
[リニア建設予定地:長野県飯田市/長野県駅編]
※プレスリリース資料などから読み取った勝手な自由研究なので資料的価値はありません・・・

紆余曲折を経て全ルートがようやくのことで決定したリニア中央新幹線。
昨年秋、意図せずルートにされてしまった秘境、長野県の大鹿村を訪ねた。そのリニアの西側終着駅がこの名古屋駅に併設される。名古屋市自体、リニア中央新幹線線計画を半ば強引に主導しているJR東海のお膝元なので気合いも半端ではないと思われる。後日見学に行った名古屋都心ジオラマ写真と組み合わせながら高層ビル建設現場を見ていくことにしよう。

都市デベロッパー、森ビルといえば六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズに代表される巨大建築物だけではなく東京都心を緻密に再現した1/1000スケールの超精密巨大ジオラマがあまりにも有名。
最近は東京五輪誘致の際、IOCへのプレゼンにも使用された森ビル製作ジオラマ東京バージョン、その巨大さ故か通常は公開されることはない。10年前の2005年、東京ジオラマの一般公開を知り六本木ヒルズまで見学に行ったことがある。今となっては意のままに地球を俯瞰できるGoogle Earthが存在するものの、巨大な都市を一望に俯瞰できる様は当時衝撃的だった。
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さてこの森ビル制作の都市ジオラマ、1/1000スケール名古屋バージョンも存在するという。恥ずかしながらこの事実をつい最近まで知らなかった。しかも無料で一般公開、さらには写真撮影も可能というではないか。そんなわけで某日、展示されている金山駅前にある名古屋都市センターを訪れた。
11階に置かれたピラミッド型の透明なケース、その中に設置されているのがビルはもちろん民家までもが緻密に再現された名古屋市中心部のジオラマだ。実際の光景と違い、スモッグのような空気感が存在しないためどこまでも一様に見渡すことができる。その精度の高さに感動しながら様々な角度から眺め続ける。


さて名古屋市を「上空」から見下ろしていると10年ほど前、六本木で見た東京ジオラマに比べ都市サイズ、ビル高、いずれも比較にならないほどこぢんまりとしていることに改めて気づかされる。
皇居を中心に高低差のある複雑な地形に沿って血管のように放射状に広がるカオス都市、東京、一方名古屋は碁盤の目のように規則正しい区画が広がっている。一見整然としてはいるものの、反面高さがなく中層ビル、雑居ビルが延々と続いているため変化に乏しく平坦でどこか地味。
そんな名古屋駅前が超高層ビルを中心とした再開発によって今、急速に生まれ変わろうとしている。それが下記の名古屋駅付近模型。

注意していただきたいのがこの模型、厳密には「2015年現在」の名古屋ではない。建設中のビル、01〜03が全て竣工する2017年以降の名古屋駅前の想像図となる。ではこれら高層ビルの建設が猛烈な勢いで進んでいる現地を訪ねてみよう。
●大名古屋ビルヂング建設現場
さてここからが本題。現在猛烈な勢いで進行中の名古屋駅前の姿を順を追って見ていく。
まずは名古屋駅に隣接するJRセントラルタワーズ髙島屋15階ロビーへやってきた。15階に設置されたスカイストリートと呼ばれるロビー、目の前でビルが建設されていく様子を手に取るように見ることができる絶好の定点観測現場見学ポイントなのだ。


ガラス張りのロビーに足を踏み入れるまず目に飛び込んでくるのがこの光景。目の前にそびえる巨大ビルの建設現場。鉄骨剥き出しの無骨な建設現場は上品で洗練されたガラス張りの空間とは対称的だ。建設中のこの建物が大名古屋ビルヂングとなる。
この場所にかつてあったのがレトロ外観が特徴的だったな旧大名古屋ビルヂング。1965年竣工と古く34階建ての超高層ビルに立て替えとなった。新大名古屋ビルヂング新築によって、それなりの高さを誇りながらもいずれ線路にそって平行に列んでいたため見栄えがしなかった名古屋駅前の超高層ビル群がようやく立体的に一歩奥へ踏み出した。

秋、冬、春、季節は巡りそしてビルはみるみる高さを増していく。
現在はレトロに感じるかつての旧大名古屋ビルヂングも完成当初は最先端建築としてさぞかし賑わったことだろう。現在周囲で建設中のこれらビル群も数十年後には時代の波に飲み込まれ老朽化していくのだろうか。と思うとビルの存在感に圧倒されると同時になんだかむなしくなってしまう。




このスカイストリート、他にもミッドランドスクエア、モード学園スパイラルタワーズなどの駅東口に広がる都市風景が一目瞭然。遠くには名古屋城天守も望むことができる。ご覧の通りあまり人気もなく名古屋駅改札から数分とアクセスも抜群のため都市変化の定点観察に重宝する場所。

エレベーターで一階へ降りると名古屋駅前東口へ降り立った。駅前広場から冬空にそびえる大名古屋ビルヂング建て替えを見上る。タワークレーンが次々に鉄骨をつり上げ、甲高い工事音が響き渡る。視線を左に向ければ現れるのがJPタワー及びJRゲートタワー建設現場。

ちなみに新大名古屋ビルヂング、JRゲートタワー、これらの建設現場にかつて存在したのがこの2つの建物。
先ほどの森ビルジオラマが展示されていた名古屋都市センター展示室の片隅にこのようなビル模型が転がっていた。新大名古屋ビルヂング、JRゲートタワーの建設に伴うジオラマ更新のため本体から取り外されてしまい、無造作に置かれた姿がなんだかかわいらしい。
■JPタワー名古屋(名駅一丁目計画)建設現場
大名古屋ビルヂング現場の向かいでは旧名古屋中央郵便局の建替えとなる地上40階、195mのJPタワー名古屋の建設が佳境を迎えている。過去何度かこの場所を訪れていたが2月某日、ついに最上段40階へ達しているようだ。

■JRゲートタワー建設現場
さらにその手前にほとんど隙間もなく建つことになるのはJRゲートタワー。名前は似ているがJTではなくJR。こちらはJPタワーをさらに上回る高い地上46階、211mの超高層ビル。かつての松坂屋名古屋駅店の跡地となる。地盤改良工事もつかのま気がつくと鉄骨の組上げが始まり巨大な資材を乗せたトレーラーが吸い込まれていく。
先ほどの名古屋駅前完成予想ジオラマに西側から見たリニアの予想ルートを合成する。リニア自体は大深度に作られるため地上に姿を見せることはないが合成してみるとこのビルの役割がわかる。そうこのJRゲートタワー、その名の通りJR東海が主導するリニア中央新幹線名古屋駅の駅舎となる予定だ。上階はホテル、オフィス、商業棟となるが、1階、地下には駅施設が設けられれ地下30〜40mに建設されるリニアホームと直結するという。
名古屋駅西口にも予定されているリニア名古屋駅予定地界隈については後ほど徘徊してみようと思う。



この二つのビル、東口からは全容を掴むことができないので西口へまわってみることにした。
建設中の高層ビルと鉄道高架のわずかな隙間に残る下町もいずれ開発の波に飲み込まれていくのだろうか。高架下をくぐり西口から振り返るとプラットフォーム越しにビルがよく見える。左側のJPタワーはほぼ最上段に達したがJRゲートタワーはまだタワークレーンが頭を出した程度。いずれゲートタワーがJPタワーを追い抜くことになる。


■ミッドランドスクエア
47階建、高さ247m。中部地方最高峰の超高層ビル。最上階にある展望台スカイプロムナードからは名古屋市全景を見渡すことができる。先ほど周囲を徘徊し下から見上げたビル群建設現場の俯瞰も可能。高速エレベーターでわずか数十秒。

大名古屋ビルヂング、JPタワー、JRゲートタワーはじめ、現在眼下で建設中の超高層ビル達もこのミッドランドスクエアの高さを越えることはないため名古屋最高峰の座もしばらくは安泰だと思われる。


それにしてもこの場所、凍えそうな寒さ。梅田スカイビルのように天井を廃し開放感を感じることが売りのこの展望台、確かに開放感を感じる一方直接外気に触れるため当然気象状況も直撃する。
今日の名古屋は流れ込む雪雲によって時折雪が舞う天候。まるで山の上に立ったかのような寒さに指もかじかんでいく。
見渡せば周囲のビル建設現場の吹きさらしの屋上にはこの天候の中でも次々に鉄骨がタワークレーンで到着、至る所溶接の光がきらめいている。この場所と同じような寒さの中、作業に従事する人々には頭が下がる思いだ。
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この記事を書いている途中報道された名鉄近鉄大型複合ビル構想。
西日本を代表する私鉄、名鉄と近鉄が主導、名古屋駅南に密集する低層ビル数棟を集約し一気に建て替えるという壮大な計画だ。ミッドランドスクエア展望台から南西を見下ろすとこれらビル群がよく見える。

■ささしま駅から名古屋駅前建設現場を望む
さて様々な角度から見て回ったこの名古屋駅前再開発、とはいえ全て駅から半径1kmほど。ビル群が美しいスカイラインを作り出す全容を一望できる場所はないものかと考えていた。

上の写真は5年ほど前、伊勢湾岸道あたりから撮ったものだが今回はそんな遠方まで足を伸ばす気もないので例のごとく自宅でgooglmap斜め空撮、あるいはストリートビュー、googleearthを眺め続けここならば、と考えた場所が名古屋駅から一駅分南へ移動したあおなみ線ささしまライブ駅近くの線路を渡る歩道橋。
歩道橋ならばある程度の高さは確保されているだろうし、googlmap等で偵察した感じでは周辺に高層建築も見当たらず名古屋駅ビル群が一望できるはず。

さきほどのッドランドスクエア展望台から見下ろしたささしまライブ現地の様子。ご覧のようにこちらも開発の真っ最中。右上に目的地の白い歩道橋が見える。彼方の歩道橋を目指しとぼとぼと歩いていく。

しばらく南へ進んだ辺りで振り返るとモード学園スパイラルタワーズ、ミッドランドそして建設中の新大名古屋ビルヂングが美しく並んでいる。海外のようにデザインに走って空間の無駄遣いをすることなく、容積率が異常に高い箱ビルと揶揄される日本の超高層ビル郡の中で、スパイラルタワーズのような特徴的な建物はやはりインパクトがあるものだ。
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高架下を抜けをくぐりささしまライブ付近へやってきた。一見完成しているようにも見える施設もまだ開業していないのかにも闇に沈み静まりかえっている。



真冬の寒風が吹きつけるだだっ広い荒野のような空間。
こんな冷え込んだ夕方、埃が舞い上がる建設現場を訪ねる酔狂な人間などいるはずもなく人の姿はどこにも見当たらない。いずれこの場所に37階170mの高層ビル、グローバルゲートが完成すれば賑わうことになるのだろうか。
このグローバルゲート、見たところまだ地盤掘削が始まったばかりのようだったがさきほどの森ビルジオラマではその完成後の姿が予想されていた。

↑ささしまライブ24再開発の完成予想模型。現在地に右上のビルが建つ。線路をまたぐ細い橋が歩道橋。
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ささしまライブ駅に到着、薄暮に包まれたの駅前広場は秘境駅のように静まりかえっている。駅を抜け裏にある真新しい歩道橋「ささしま米野歩道橋」へいよいよ足を踏み入れる。方角、高さ、申し分なし。
ところがこの歩道橋、線路への落下物防止のためか壁面が異常に高い。身長は高い方なので壁はクリアできるとはいえその向こうにはさらに厳重な透明アクリル板が。板を通し風景は見えないこともないがアクリル自体が薄汚れているため視界がぼやけてしまうと言う残念な構造。

手を伸ばしたりと試行錯誤を繰り替えるもうまくいかず何も撮ることができないまま歩道橋を渡りきった箇所で見つけたわずかな隙間から撮ることができたのが下記の風景。
手前に広がる低層民家から名古屋駅前の高層ビル群へ、都市が美しく続いている。JRゲートタワーはまだ顔を出したばかりだがJPタワー、大名古屋ビルヂングとそれぞれ建築中のビルもお互いに隠れることなく一望できる。申し分ない。


東京でも大阪でも超高層ビルは周囲の中層ビルに埋もれて建つことが多く、一望に視界におさめようとするのは実はなかなか難しい。ところがこの名古屋市、駅西側は先述したよう平坦な宅地、あるいは低層雑居ビルが広がっているため全容を掴みやすい。例えるなら規模は比較にならないものの、西側に広がる低層住宅街から望む新宿副都心のような光景だ。


これら駅前に立ち並ぶ名古屋高層ビル建築群の先陣を切ったのが2009年に竣工した中央の白いツインタワーJRセントラルタワーズ。
それにしても三大都市のひとつに数えられながらもわずか6年前まで超高層ビルと呼べるような建造物が駅前に何一つ存在しなかったことに改めて驚かされる。その停滞の反動なのか、先日訪れた大阪梅田と違い高さ規制の航空法に干渉されず名古屋のビル群は自由本坊に伸び続ける。
そんな光景を写真に納めようと背伸びをし、わずかの隙間へ手を伸ばし撮影を試みる。端から見れば珍妙な不審者扱いだろうが、幸いなことに昼夜両方とも誰一人として歩行者は現れず間抜けな姿を見られずにすんだ。
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この歩道橋を渡りきると名古屋駅まで民家や町工場が密集する下町が続く。その間を縫うように走る迷路のような路地を歩き続ける。複雑な道ではあるが電線や屋根の隙間から絶えず名古屋駅ビルが見えるので迷うこともない。
日没から30分。冷え切った下街はうっすらと紫の薄暮につつまれた。時折現れる街灯が闇を冷たく照らし出す自分が最も好きな時間帯。静まりかえった路地に足跡が響き渡る。




もちろん三脚は持参していないため手持ち。多少粒子の粗さは感じるとはいえ、デジタルカメラの性能の高さを改めて思い知らされた。
感度を自由自在に増減させ手持ちで闇を撮る。フィルム時代、こういった写真を三脚なしで気軽に撮りたかった。当時のフィルム最高感度はISO1600。ISO1万や2万が当たり前という今から振り返ると恐ろしく低い。さらに粒子が粗いくせに非常に高価だったISO1600フィルムの貴重な36枚をどう使いきるか考えながら撮り歩いたものだ。

やがて現れた闇を照らす巨大な電飾、マックスバリュ太閤店。ここが名古屋高層ビル群の意外なビューポイント。校外によくある平屋の店舗、さらに広大な駐車場が確保されているため、高さを遮られる事なく駅前のビル群の全容をつかむことが出来る。


このマックスバリュ太閤店の駐車場を半分壊しながら先ほどのささしまライブと名古屋駅西口を直接を結ぶ道路が現在建設中。線路の地下を通すことであおなみ線や近鉄によって陸の孤島のように分断されられていたささしま地区へのアクセスは大幅に改善されそうだ。
■リニア中央新幹線名古屋地下駅予定地
「太閤通口」と呼ばれる名古屋駅西口。雑居ビルひしめく路地裏へ一歩入れば風俗街が続く怪しい街。その直下にリニア名古屋駅建設が決まった。降って湧いた計画にこの界隈は今後どのように変化していくのだろうかと年末に訪れた長野県大鹿村に続き今回は名古屋駅建設予定地となる西口を訪ねた。

駅西、「太閤通口」側をJRセントラルタワーズから見下ろした光景。家電、予備校、雑居ビル。名古屋駅に到着する新幹線の窓からも見えるおなじみの光景だ。しかし改めて眺めると西口には高層建築がまったく存在していないことがよくわかる。まるで高さ規制をなされたようぴったりと高さがそろえた光景。ある意味統一感を感じる街並みだ。

今度は地上から振り返って上記の写真を撮った名古屋駅JRセントラルタワーズを見上げる。計画書によればちょうどこの真下にリニア中央新幹線名古屋駅が作られるという。果たして地上建造物はつくられるのだろうか。
周囲を見渡すと予備校、雑居ビル、風俗店、コインパーキング、さらには鮮魚店まである趣のある街並み。
東口と西口、名古屋駅を挟んでここまで町の雰囲気が変わるとは。
駅を挟み洗練された街と味のある街が対比する光景。無機質な高層ビルが立ち並ぶオフィス街、西口丸の内、低層雑居ビルがひしめき合う東口八重洲。そう、ここは東京駅と同じ構図なのだ。
東京名古屋に限らず駅前の雰囲気はホームを挟み北と南、あるいは東と西でがらりと変わることが多い。子ども時代を過ごした田舎町も当時、賑わう北口に比べ南口は低層家屋がひしめき合ってきた。
明治期、忌み嫌われた鉄道は建設時、市街地を迂回させられ駅舎が敷設されたのが郊外の荒れ地だったいうのはよく聞く話。対照的な町並みの由来もこの時代まで遡るのだろうか。ちなみに東京駅八重洲、この記事を書いている最中、250m級の超高層ツインビル建設が発表され現在の雑居ビルひしめく光景が今後様変わりしていくと思われる。
さてJR東海が公表しているプレスリリースを読み取りながらリニア名古屋駅予定地を徘徊する。

仮称岐阜県中津川駅を出発したしたリニア下り線はシールド工法で掘削された直径13mのトンネルによって官庁街ののほぼ直下を通過後、JR名古屋駅へ達する。
東西方向に設定されたリニアは現在南北に走る新幹線と名古屋駅直下でほぼ直角に交わることになる。リニア名古屋駅は資料によれば地下30〜40m。既存の地下街、地下鉄を避けるよう作られるため結構深い。
とはいえJR的にはJR東海道新幹線およびJR東海道線などとの乗り換えを推進したい。そんなわけでこれでも可能な限り近く浅く配置されているようで、リニアと新幹線の移動時分は「3分~9分」に抑えるよう想定されているという。

またルート図によればリニアはこの地下で途切れるわけではなく、その後もしばらく余韻を持って西へと続いている。工事が佳境に入る頃にはよほどの事情がない限り大阪への延長路も確定するだろうから同時に亀山方面へ掘り進むことになるのかもしれない。

リニア名古屋駅が予定されている真上は風俗街。昼間はあまり人気もないが、夜ともなればネオンが光り輝くと思われる。すでに地主やビル所有者とJRとの間で立ち退き交渉が行われているとの報道も有り、今後この場所は大きく様変わりしていくのだろうか。どちらにせよ駅自体は大深度に建設されるため立ち退き交渉は駅舎建設と言うよりは工事用スペース確保のためかもしれない。
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昨年、訪れた長野県の秘境大鹿村編では中央構造線にぶちあたるため難工事が予想されると書いた。ここ名古屋でも事情は変わらない。こちらをややこしくているのは地質ではなく都市なりの事情、既に都心地下にアリの巣のように張り巡らされた地下鉄、地下街、ライフラインだ。上で書いたJPタワー建設現場地下では昨年迂回用下水管が破損してしまい地下鉄名古屋駅が浸水するという騒ぎも発生した。
トンネル自体はこれらを避ける大深度に掘るとはいえ、地上部との連絡が必要な駅舎建設にはどうしても地表付近での作業が必要になる。あまりにも複雑な都心地下掘削には大きな壁が立ちはだかる。
そんなわけで建築ラッシュの名古屋駅、及びリニア駅予定地付近の徘徊完了。とはいえここに限らず完成してしまえば興味が薄れるのがいつものの悪い癖、建設中の姿を見に何度も訪れた東京スカイツリーも完成と同時に興味が薄れその後は一度も訪れたことはない。しかしこの場所では今後長期に渡って様々な工事が行われることになる。しばらく変化を楽しませてもらえそうだ。
●2015年12月/追記
伊勢湾岸道より撮影した名古屋駅高層ビル群の最新写真[下記]。再開発の勢いを感じさせる無数のタワークレーン。中央の黒いビル、新大名古屋ビルヂングはまもなく竣工。次は右側に170mのグローバルゲートが伸びてくることになる。

[了]
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