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●2015年8月某日/北の果て青森県竜飛崎の夏.03

  • 2015/11/13 23:43
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秘境を感じる北の果て青森県竜飛崎で過ごした2015年夏。
全国的に雨が多かったと聞く盆休み、奇跡的に好天に恵まれた青森県上空も
最終日の撤収を待っていたかのように崩れ始めた。
あわてて荷物を車に放り込むと遥か遠い自宅に向け帰宅を開始、
大雨の中、広大な東北をひたすら走り続ける。

photo:Canon eos7d 15-85mm

[前回の記事]

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竜飛崎の裏、断崖と日本海に挟まれたわずかな平地に立地するシーサイドパークキャンプ場。今朝も早朝4時には目が覚める。夜間は予定通り非常に涼しく真夏キャンプにも関わらず心地よく寝る事ができた。

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さて心配事はといえばやはり天候。明けたばかりの空を見上げれば一応青空が広がっているものの海側からは巨大な雲の固まりが接近、どう見ても崩れそうな空模様。雨予報が続く中、奇跡的に晴れ渡っていた津軽半島上空もさすがに持ちこたえられなくなったようだ。荷物を車に積み込み終えるとほぼ同時にバラバラと大粒の雨がキャンプ場一帯へ降り注ぎ始めた。


竜飛崎シーサイドパークキャンプ場の虹1508aomori0302.jpg
竜飛崎シーサイドパークキャンプ場の虹1508aomori0303.jpg


三日間を過ごしたキャンプ場を後にする。竜飛崎へと戻る途中少し上った高台から振り向くと、わずかに残された雲の隙間から射し込んだ日差しによって虹が鮮やかなアーチを描いていた。虹の足下を漂う一隻の漁船からはどのような光景が見えているのだろうか。




キャンプ場からの急坂を登り国道に復帰。残りの行程は帰宅に向け青森岩手宮城と広大な東北地方をひたすら南下するだけ。津軽半島を南北に横断する屏風山広域農道、さらに岩木山周辺を縫うように走る広域農道同士を繋ぎながら秋田県鹿角市付近に達した頃には土砂降りの雨となった。ほとんど視界も聞かない激しい雨。ワイパーを最速にしながら車を走らせていく。キャンプ中でこんな雨に見舞われたら悲惨な事になっていた。竜飛崎での二泊三日間のキャンプ中、好天に恵まれ本当に助かった。

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先述したよう今回の旅の目的は竜飛崎でのキャンプだったため特に予定もない帰路。とはいえ時間もあり余っていることなので近隣にあるお気に入りの温泉へ向かう事にした。場所は秋田岩手県境にまたがる高原、八幡平。

ふけの湯、後生掛など名だたる有名温泉が点在する八幡平の一角にあるこの温泉。不思議な事にガイドブックにはほとんど掲載されず、未だ公式サイトすらないマニアックな存在。しかし湯治場のような古びた雰囲気に魅せられこのあたりを通る際にいつも立ち寄ってしまうお気に入りの場所のひとつ。


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小雨に煙る森に佇む木造小屋。これが目的地の某温泉、その名を大深温泉と言う。曲がりくねった山道を登っていった先に立つ蒸ノ湯温泉の大きな看板、その脇に遠慮がちに立つ「大深温泉」書かれた看板。一見気がつかず通り過ぎてしまいそうなこの小さな看板に従い森の中へと分岐する脇道を進んでいくと現れるのがこれらの建物。


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管理棟で入湯料を支払い、引き戸を開ける。レトロな脱衣所、湯船共々先客がいなかったため写真を撮らせてもらった。運が良いのか今までこの湯船で他の客と出会った事がない。


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八幡平大深温泉1508aomori0305.jpg


乳白色の湯がたっぷりと張られた小さな浴槽。温泉マニアではないのでよく知らないが、なんだか効能がありそうな雰囲気。流れ込む豊富な湯、古びた床板。初めて訪れた10数年前に比べ、わずかづつ整備されてきたこの温泉だが、内部だけは以前のままの雰囲気を残している。



八幡平大深温泉1508aomori0309.jpg
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長々と熱い湯を堪能した結果のぼせてしまったので湯冷ましを兼ね温泉敷地内を散策する。奥には地肌むき出しの荒々しい源泉。地熱によって白い水蒸気がもくもくと立ち上る。雨と標高のため、真夏だというのみ冷え込む八幡平山中では地熱が発する温かさが心地よく感じる。

その真横には二棟の平屋。飾り気のようなものは存在しないまさに昔ながらの湯治場と言った雰囲気のこの建物は宿泊棟となる。内部を覗き込むとオンドル式のゴザの上で眠りにつくお年寄り達。
かつて自分もこの部屋で背中に熱を感じながら夜を過ごした事があった。一緒に雑魚寝する同宿のお年寄りから多くの食材を分けてもらった事など様々な親切を受けたことを思い出す。

完全に観光化された周囲の温泉と一線を画し、我が道を行く大深温泉。この素朴な雰囲気を今後も残し続けてもらいたいものだ。





素泊まり一泊1500円という安さ(当時)に惹かれこの大深温泉を初めて訪れたのは1999年。岩手盛岡までは18切符、そこから路線バスを乗り継ぎようやくのことで到着したこの秘境温泉で二日間ほど過ごしたのだが、本来の目的は松尾鉱山の廃墟訪問だった。八幡平にはかつて隆盛を極めた硫黄鉱山の鉱員住宅が閉山後、そのまま放棄され圧倒的なスケールで残されている。

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大深温泉まで来たのならば今回も松尾鉱山に足を伸ばしたいもの。と思うものの土砂降りの雨が降るこんな天候なので何も期待できず。予想通り緑が丘アパート周辺は乳白色の濃い霧に包まれその全容を望む事はできなかった。

仕方がないので昔の写真、1999年夏撮影【下】。画質が悪いのは腕とスキャナーのせいです・・・


昔の松尾鉱山緑ヶ丘アパート9908matuokouzn.jpg


東北の軍艦島、日本三大廃墟など様々な言葉で語られ今では知らぬ者など存在しないとまで言われる松尾鉱山跡。しかし今から16年前1999年当時、便利な画像検索はもちろんまともなネット環境も存在せず、一体どのような場所なのか、そもそも廃墟自体が残っているのかすら見当がつかないまま訪れたこの地で目の前に広がる緑の草原とアパート群に圧倒された事を思い出す。

この時代の写真はもちろんポジフィルム、当時こういった粒子の粗い写真が好みだったなあ。そういえば、訪問にあたって書店で国土地理院の周辺地形図も購入していたことを思い出した。ネットで地図はもちろん航空写真まで無料で見る事ができる2015年からは振り返れば隔世の感がある。





すばらしい草原と廃墟。それに引き換え今回は・・・。見ての通り松尾鉱山の大きな特徴でもある広大な開放感はさっぱり。その後何度もこの場所を訪れてはきたもののここまで悪い天候は初めて。風が吹いた一瞬わずかに視界が開け朽ち果てたアパートが姿を現したものの周囲は再び白い世界に覆われていった。


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その後も雨と霧に包まれながら道路脇に車を停めしばらくの間粘ったものの、一向に視界が開ける気配もないため風景をあきらめ山を下りる事にした。大深温泉と松尾鉱山を訪れ帰路の寄り道もこれで終了。今度こそ長い長い帰り道。雨が降り続く東北道をひたすら南下を続けていく。

[了]
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