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●2016年3月某日/リニア建設予定地を訪ねる〜長野県飯田市/長野県駅予定地編〜

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リニア建設予定地徘徊、今回は長野県の飯田市周辺。
総延長286kmのそのほとんどがトンネルをはじめとした地下に建設されるため
リニアが顔を出すのは甲府盆地以外は谷底などのわずかな箇所に限られる。
長野県内でリニアが地上に姿を現す場所のひとつが天竜川が刻み込んだ伊那谷一帯の5キロほど。
長野県駅も建設されることになるその飯田市周辺を大鹿村に次いで訪れた。


※JR東海のプレスリリース資料などから読み取った勝手な自由研究なので資料的価値はありません。

リニア予定地長野県大鹿村編
リニア予定地愛知県名古屋市編
リニア建設予定地:岐阜県中津川編
リニア建設予定地:岐阜県中津川編2回目
リニア建設予定地:山梨県早川町/山梨駅編
リニア建設予定地:山梨県/早川橋梁接近編
リニア建設予定地:静岡県静岡市:前編
リニア建設予定地:静岡県静岡市:後編

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某日、長野県飯田市を訪れた。このような場合まず全体を俯瞰する高台を探すのがセオリー、中津川では苗木城、名古屋ではミッドランドスクエアといった高台からリニア建設予定地を俯瞰した。ここ飯田市でも何か良い俯瞰ポイントはないものかと出発前、ストリートビューを駆使し探しまわったところ天竜川を挟んだ対岸(東側)にそびえる台地の一画に見つけた「アルプスの丘公園」という場所。飯田市ではなく喬木村となる。

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「アルプスの丘公園」に到着、予想通り山に挟まれた伊那谷のパノラマが眼下に広がっている。足下の木々も伐採されているため遠方だけでなく真下の視界も良好。
喬木村アルプスの丘公園1603iidasta0101.jpg
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この場所にJRが公開している環境影響評価書を参考にリニアルートを適当に合成[下記]。短いトンネルを抜け右手(東側)の山裾から現れたリニア高架は集落上を西へと向かう。高架橋には騒音防止のフード(覆い)がかぶせられると思われる。

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展望台の脇に椋鳩十生家跡と書かれた看板があった。動物の生態を生き生きとと描いた椋鳩十の本は小学校の図書館の定番、特に野犬ものには子ども心に恐怖を覚えたものだ。



地形を始め全体概要が掴めたので天竜川を挟んだ対岸、長野県唯一の駅、リニア長野県駅(飯田駅)予定地へ向かうべく阿島橋で川を渡り飯田市へ入った。


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さてリニア長野県駅の詳細な場所は一体どのあたりなのか。リニア飯田駅とも呼ばれることから一見市街地かと思いきや飯田市中心部からは距離がある。飯田線のJR飯田駅がある市街地から北東へ3kmほど、車のディーラー、パチンコ屋がひしめく典型的な郊外型光景が広がる高台のあたり。

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JRのサイトで公開されている停車場図と空撮と重ね合わせるとリニア長野県駅(飯田駅)の詳細な位置が判明する。リニアと国道153号が垂直に交わるあたり、正確にはパチンコ店とコンビニの駐車場の真上[上記写真]。
用地買収を容易にすべく意図的にこの場所を設定したかは不明だが建物が密集する周辺において、駅予定地の半分ほどは広大な駐車場。それにしても第二、第三まで存在するパチンコ店駐車場の広さには驚かさせる。


リニア中央新幹線長野県飯田駅予定地地図1603iidastamap03.jpg

例のごとく適当に合成したイメージ。高さや橋脚に関してはデータがないので適当。実際には駅舎が作られるため存在感はさらに増すはず。

【photo:A】
リニア長野県飯田駅予定地1603iida01.jpg
【photo:B】
リニア長野県飯田駅予定地1603iida02.jpg




ここを起点に西へと続くリニア本線予定地を歩く。
やがて駐車場が途切れると伊那谷の特徴である河岸段丘の斜面に民家、アパートや田んぼが混在する地区となる。山の中腹にあるため日当りもよく、東側には冠雪した大鹿村方面の山々を望む事ができる景色の良い集落。道路脇に張り巡らされた水路には豊富な雪解け水が勢い良く流れ、それらの水を平等に分配する円筒分水も見受けられる。この地区も先ほどのパチンコ屋から続くリニア長野県駅(飯田駅)予定地敷地内。念のため途中路地で出会った地元の方に伺うと間違いないとのこと。

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【photo:C】
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【photo:D】
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位置自体は間違いないと思うが情報が見当たらないので橋脚は省略、高さ、幅も適当です。
JR東海が環境影響評価書内で公表している景観予測にはルートの一部ではあるもののリニア完成後の景観が合成されている。しかしいずれも遠目の構図、さらにこの地区に代表される街中の予想図は2016年春現在公表されてはいない。
どの箇所のコメントはいずれも判で押したように「景観への影響は小さいと予測する」「調和のとれた景観となる」などのお決まりのフレーズで締められている。目の前に巨大な高架橋を置かれ影響が小さいと言い切るのもどんなものだろうと思ってしまう。



リニア長野県駅予定地全体を俯瞰できる場所はないだろうかと探していると果樹園の急な斜面を上っていく小道が目に入った。車が往来できるような道ではなく人道。河岸段丘の「段」の部分にあたる坂道を登っていくと斜面中腹を南北に走るJRの飯田線の線路に突き当たる。ここから振り返るとリニア駅予定地全体を望む事ができた。
地図と照らし合わせてみると足下の法面らしき傾斜部分にトンネル坑口が作られるようだ。

【photo:E】
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リニア長野県飯田駅予定地1603iida06.jpg


過去徘徊したリニア建設予定地のほとんどは民家もまばらな人里離れた山中だった。品川、名古屋に至っては地上への影響はほとんどないとされる大深度。しかし飯田駅予定地の約半分は住宅街と重なるため数多くの店舗や民家が移転を余儀なくされる。なんだか考えさせられてしまう光景。



果樹園裏を走る飯田線の線路を踏切上から眺める。リニア新駅とJR飯田線はこの場所で高低差をもってほぼ垂直に交わる事になる。現在の最寄り駅、元善光寺駅まではかなりの距離、そのため素人目にはリニア乗り換え接続に最適なのでは思ってしまうほどの格好のポイント。ここに飯田線新駅を作ってほしいという地元の声を伝える報道を目にした事もあるがJR東海は東京名古屋間を超高速で結ぶ事に躍起となり、通過県のことにはあまり関心がないように感じられるので正直期待はできないだろう。


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続いて再び飯田盆地の谷底を流れる天竜川へと向かう。まずは天竜川西側の右岸。恥ずかしながら今回、川の左岸と右岸の定義を今回初めて知る。

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品川発名古屋行きリニア下り線は例の山梨県早川橋梁(LINK)を渡り全長約25kmの南アルプストンネルへ。長野県大鹿村の小渋川橋梁で一瞬顔を出したのもつかの間、再びトンネルが連続、喬木村と豊丘村の境目あたりでようやく地上へ姿を見せる。しかし集落上の高架では頭上をフードが覆うためため、まともに日にあたるのは橋梁が架けられる天竜川。そのリニアが通過する場所は工業団地の南端、白い建物のあたり。

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堤防沿いの空き地に車を停めルート予測図片手に徘徊していると果樹園脇の空き地に何やら白い標識が立っているのに気がついた。[上記写真]
顔をのぞかせたツクシを踏みしめ近づくと真新しい標識は「中央新幹]JR東海」と書かれたリニア中心線測量杭だった。本日初めて目にしたリアルなもの。おそらく標識の向きがルートを示しているのだろう。東西と少しずれた傾きも一致。起点の品川からの距離178kmが記されていた。

リニア中心線測量杭1603iidasta0306.jpg
リニア中心線測量杭1603iidasta0303.jpg


中心線測量杭の上にリニア天竜川橋梁を合成。橋の西側には保守基地と引き込み線も作られる。先述したように橋梁部分では騒音防止フードが外されているため、上り下りとも闇の中を走り続けたリニアの乗客はこの場所でようやく車窓の風景を眺められる事となる。

リニア天竜川橋梁1603iida07.jpg
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リニア天竜川橋梁1603iidasta0308.jpg




阿島橋をわたり再び天竜川の東側へと戻る。午前中徘徊した椋鳩十の生家があった喬木村側。伊那トンネル(仮称)に続く、短いトンネルを抜けたリニアは集落に飛び出し、民家の頭上を巨大な橋脚が横切る事になる。
製材所が点在する天竜川左岸沿いの堤防周辺の道の間を抜け天竜川の河原に出ることができた。雪解け水が流れ込んでいるのかこちらも豊富な水量。流れに手を触れてみると身を切るような冷たい水だった。
この場所から見たリニア天竜川橋梁の予想図[下記]

リニア天竜川橋梁1603iida09.jpg
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天竜川を後にするともう一カ所、伊那トンネル(仮称)を抜けたリニアがわずかに顔を出す場所を訪れる。喬木村から豊丘村へ入った境目のあたりの谷間。枯れた田んぼと平行するように本線が続くようだ。[下記]フードが架けられるかは現状不明。

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この後、現在のJR飯田駅も訪れる予定だったものの当日、駅周辺で催された祭りの影響で、市街地では通行規制が行われているようなので近づく事はやめておこう。
今回初めて中心線測量杭を見る事ができたリニア予定地。一見何も動きがないように見えるリニア計画も水面下ではじわじわと進んでいるのだろう。

[了]
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